日刊ニュース

2014.02.05 のニュース

高度化法の告示改定、備蓄が焦点に-SSの過疎化、公正取引の問題も-

 第4回総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会は31日に開催され、資源・燃料政策について審議をスタートさせた。資源・燃料政策については、すでに基本政策分科会でエネルギー基本計画(案)の策定段階の審議がされているが、さらに掘り下げて議論することになったもの。エネルギー基本計画の審議は、大半は原発問題、再生可能エネルギー、電力システム改革となっており、一次エネルギーの太宗を占める石油・天然ガス・LPGなどの議論は少なく、今後に持ち越しとなっていたためである。すでに課題と対応の方向性が示されており、具体策は下部に石油・天然ガス小委員会を設置して議論、夏頃にはとりまとめることになる。
 課題としては①海外からのエネルギー資源供給の不確実性(対応策は価格の低廉化)、②災害時の供給体制の脆弱性(供給構造の強靭化)、③エネルギー供給を担う企業の経営基盤の弱体化(事業基盤の再構築)などの点をあげている。
 エネルギー資源供給の不確実性への対応は、主要燃料の多様化、シェールガス・随伴LPGの調達増加、上流権益の獲得(資源外交)、調達ボリュームの確保、価格交渉力の強化かあげられている。
 供給構造の強靭化策では、①備蓄政策の方向性(中長期的な方向、平成26年度の備蓄目標の設定)、②災害時の石油供給体制、③中核SS・LPG中核充填所の機能強化、④SS過疎化問題など。
 事業基盤の再構築では①石油産業の事業再編・構造改革(高度化法の大臣告示の改定、総合エネルギー産業化、海外展開)、③公平かつ透明な石油製品取引構造の確立などが議論となる。
 喫緊の課題は、高度化法による設備処理が3月末で終了するため、次の施策に移行するための大臣告示(判断基準)の改定を決めることになる。現在の設備処理を継続するのか、新規の施策を実施するのかがポイントとなる。また、公正な取引関係の確立では、業転問題として全石連が議員立法を要請、さらにSSの過疎化問題を提示しており、その対応策が求められる。
 具体的なテーマとしては①高騰しているLNG・石油の安価な調達策、②安定供給のための製油所などの強靭化、製油所からSSまでのサプライチェーンの維持・強化、③石油業界の経営基盤の再構築などとなる。
 橘川・分科会会長は「石油、LPGは、今後とも一次エネルギーの太宗を占めるのと、災害時には安定供給を確保する最後の砦として役割を果たしたこともあり、産業基盤の強化など石油政策を掘り下げて検討すべきである」と述べている。これらの問題点では、すでに来年度の助成策と予算要求をしており、LNGなど供給確保のためのリスクマネーの供給、製油所の強靭化計画、サプライチェーンの維持・強化、SSの過疎地対策などを行なっている。
 当面の取り組みは、平成26年度の石油需要見通しと、これを基にした基準備蓄数量の決定となる。現在、需要専門委で需要見通し策定の作業に入っているが、その結果を待つことになる。需要の減少に伴い民間の備蓄数量は減少することになり、余剰タンクの活用、国による製品備蓄の増量、産油国の協力や東アジアでの共同備蓄構想も議論となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE