日刊ニュース

2014.02.06 のニュース

ガソリン、灯油の減販が定着か-C重油は激減して元の水準ヘ-

 燃料油販売減少傾向を強めている。景気回復が見込まれているが、景気に連動することはなく減販で推移している。予想を上回る減販となり、さらに4月からの消費税増税を機に、ガソリンなどの減販の加速を心配する見方も出てきた。
 12月の燃料油販売は1911万キロリットル前年同月比で4.2%減となり、ガソリンは499万キロリットル(前年は516万キロリットル)で3.2%減、灯油は290万キロリットル(330万キロリットル)で14.5%減となるなど、各油種は軒並み減少となった。灯油の販売減は暖冬によるもので、11月の4%減に続いている。気温が高く推移したこともあるが、高値による節約の影響もあり、加えて究冷地での電気、ガスヘの転換が進んでいる。震災を機に灯油の回復が期待されたが、販売減を止めることは難しくなっている。
 最盛期の12月ではあるが、ガソリンは500万キロリットル、灯油は300万キロリットルを割り込んだ。12月のガソリン販売は8月の542万キロリットルに次ぐ販売数量が見込まれるが、500万キロリットルを僅かであるが割り込んだことは心理的にも影響しそうである。
 ガソリン販売は、25年度の見通しでも前年比で1%減としているが、12月の減販で販売業者間では焦りも
出ている。販売価格は高止まりの状況が続いているが、仕切価格の値上がりを受けてのユーザー転嫁が遅れており、元売、販売業者ともマージン減となり、業績は悪化している。
 販売動向を25年の暦年(1~12月)でみると、燃料油計では1億9408万キロリットルで2.9%減となった。ガソリンは5625万キロリットルで1.5%減、灯油は1830万キロリットルで8.2%減、C重油は2200万キロリットルで22.3%減となり、軽油は3391万キロリットルで1.5%増となった。軽油が復興需要で微増となったが、他油種は軒並み減少した。とくに大幅な落ち込みはC重油である。前年の37%の大幅増から一転して22%の大幅減となった。東日本大震災を機に電力用C重油が増販となり、その結果、燃料油計の販売を押し上げて増販としていたが、C重油の大幅減販で燃料油計は3%減(前年は3%の増)とマイナスとなった。
 電力業界はコストの安い石炭、LNG火力に切り替えることになり、一気に減販となってきた。石炭火力へのシフトが増加しており、12月の10電力のC重油の受け入れは25%減に対し、石炭は15%増となっている。緊急時対応として石油火力が復活し、石油の重要性が認識されたが、再び石油離れの状況に戻ってきた。
 増販となったのはジェット燃料が485万キロリットルで22%の大幅増。航空機の増便によるものであるが、数量的には多くない。ナフサは4534万キロリットルで6%増となったが石化原料であり、輸出でカバーしている。国内生産は8%の増産となったが、燃料油の需給への影響は少ない。ただ、ガソリンの供給増を解消するために石化製品に替えて供給している。
 輸出はジェット燃料が965万キロリットルで3%増、軽油は934万キロリットルで46%増となり、円安効果もあって輸出は増加した。さらにガソリンの輸出は156万キロリットルで80%増となっており、数量は少ないが伸び率は高い。減販を輸出増でカバーしたことになるが、国内需給は減販のため緩和気味で推移しており、ガソリンは業転問題が浮上している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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