2014.02.06 のニュース
組合と組合員の相互補完関係
組合、支部などによる新年の初会合がほぼ一段落した。毎回、石油業界、自社・SSにとって良い年となるよう願いつつ集い、お互いに1年間頑張ってきたな、今年も頑張ろうという気持ちを仲間と共有し、心新たに明日の経営にいそしむ日々へと戻っている。その一方、長年の同志との惜別に直面した経験もあるだろう。経年地下タンク規制に伴う対策義務化から丸1年、やるせないと言いながら業界を去っていった顔触れを懐かしむ話も聞かれた。
主食たるべき石油販売では経営が成り立たない理不尽な現実。前年対比100%以上を追い続ける不毛なシェア争いが確実に販売業者の体力を奪い、気力を蝕む。元売は系列SSに地域1番店を目指そうなどと強く呼びかけている。来店客数が増えれば油外の販売機会は増し、油外収益の拡大が損益分岐点を下げ、燃料油の値下げ余地を拡げ、市場競争力が増すという訳だ。ところが、他元売も一人勝ちを放置しない。結果、マージンは極小化し、市場全体を陥没させる。量販指向は装置産業の宿命との醒めた見方もあるが、元売と協働する大手の中からでさえ、複雑な胸の内なる声が漏れてくる。
販売業者の大勢は無闇に量を追っていない。最大の眼目は「利益」だ。どれだけ売ったかではなく、いくら儲けたか。SS数を競った時代は過ぎた。自ら起業した、あるいは親から受け継いだ大事な商売であり、生業として守り抜きたい。ここまで耐え残ってきたのだから、なおさらだ。「SSは生き様を表す場であり、生き甲斐」と、読者から思いを打ち明けられた。同時に、冬空の下でも現場作業を厭わず、明るく元気に働いている従業員を思いやって「彼らに報いるため、少しでも待遇改善ができるように、採算販売に努め、利益を積み上げたい」とも拝聴した。
そんな思いに共感される方は多いだろう。だが、大きな力の前では切なる願いがなかなか届かない。商圏内で横行する廉売、それがなんと同系列SSにも見られ、顧客と培ってきた長年の信頼を脅かす。経営者の孤独を感じる瞬間とも聞いたが、そのとき、オアシスとなるのが組合。組合があって、同志がいるから張り合いが保てているという。会社は違う。背負っているものも違う。それでも、共通の苦労を分かち合える仲間の存在は心強い。いまこそ組合に結集し、明日を拓こう。