日刊ニュース

2014.02.20 のニュース

一滴でも多く、一刻も早く

 1・9億㌔㍑2013年の国内石油内需は前年比2・9%減の約1・9億㌔㍑だったが、原油輸入量は0・9%減の2・1億㌔㍑だった。重量換算では石油1・6億㌧、原油1・8億㌧になる。
 原油の場合、VLCCタンカーに置き換えると約830隻分となり、1日平均2・3隻が日本に原油を満載して入港する計算になる。その太宗である中東と日本との往復に平均45日を要するというから、いま、この瞬間に、そのオイルロードの洋上に、日本のエネルギーの安定供給を支える巨大タンカー102隻が航行していることになる。製油所に隣接する原油タンクへの荷卸しを完了して再び日本を離れた船、難所といわれる海峡を慎重に航行する船、産油国の出荷ターミナルで原油を受け入れている船、長い航海を終えて、真っ白に雪化粧をした東京湾に原油を満載して戻ってきた船。
 製油所から各地の油槽所へ、石油を貨車輸送するためのタンク車は約1550両。製油所や油槽所から、SSに石油を届ける7千台のタンクローリー。これらが合理的に結節して、石油の長大なサプライチェーンのアンカーである全国3万5千ヵ所のSSへガソリン、灯油、軽油が届き、それを必要とする最終ユーザーに届く。
 東海道、中山道、甲州街道という古くから東西を結ぶ日本列島の大動脈のど真ん中、要衝に相当する長野、山梨、静岡などが記録的な豪雪に見舞われ、鉄道も高速・幹線道も完全に機能停止してしまった。現地に向かう手立てはないばかりか、不通になった豪雪地周辺で立ち往生した貨車、ローリーが多く取り残された。
 道路網が完全に麻痺してしまったことで、SSスタッフの出勤の足がなくなり、灯油や軽油、A重油などの配送ローリーも稼働不能に陥ってしまったようだ。
 文字通りに雪に完全に埋もれてしまった山梨には、災害対応力を備えた中核SSが、平場に15ヵ所整備され稼働していた。今回の豪雪で、先週末からその状況把握が行われた模様だが、まず、前夜から朝にかけての降雪で、SSスタッフの出勤が困難を極めたところも多くなったようだ。それでも彼らは、懸命にSSを目指した。フィールドの除雪に努めた。客さばきをこなした。道路からの避難車・者を温かいセールスルームに迎えた。地域に根差すSSとSSスタッフは実に強く優しかった。

提供元:全国石油商業組合連合会
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