日刊ニュース

2014.02.24 のニュース

いつまで続ける出血セール

 12月期通期2社、3月期第3四半期3社の大手5元売決算が公表された。いずれも売上高は原油高、円安、製品高によって大幅な増収、その一方で、原油・製品高による在庫評価影響によってかさ上げされた収益から、その化粧をはがし落とすと、大幅減益か赤字転落という構造だ。
 各社の状況は、第3四半期元売では、JXエネは売上高7・8兆円に対して、在庫評価影響を除く石油の正味では、396億円の経常赤字。出光は3・7兆円の売上高に対して、正味ではわずかに26億円の営業利益。コスモは2・6兆円の売上高に対して、正味は144億円の経常赤字。通期決算の昭和シェルは石油セグメント売上高2・8兆円に対して、正味営業利益は19%減益の217億円。東燃ゼネラルも3・2兆円の売上高に対して、正味営業利益は95%減の17億円にとどまった。
 事業部門別では、化学や開発などの収益を唯一、石油部門のみが下押しし、地域領域では、広範にわたる海外資源部門などの稼ぎを唯一、国内市場のみが下押ししている。わずかでも黒字計上できた元売でさえ、その売上高からみれば、1%に満たない正味営業利益率となり、アベノミクスで好況路線を突っ走り始めた他の大企業とは、明らかに様相を異にする。
 102㌦、104㌦、106㌦と週2㌦ペースで原油価格は上昇に転じている。為替TTSは1㌦103円を挟んだ小動きで落ち着いている。円建ての原油コストは週㍑1円ペースで連続上昇に転じている。
 ところが今週もガソリン小売価格平均は前週比で0・2円値下がりした。3週連続で累計0・5円の値下がりである。店頭小売価格を小数点単位で動かすSSは、ほとんどないだろうから、全国3・5万SSのうち、大雑把にとらえて、1円下げSSと据え置きSSが半部ずつ出た結果である。この間、元売子会社SSは、どのように動いたのか。広範な地域から「PBなんかよりも、むしろ積極的に軟化を呼び込んだ」という指摘が聞かれている。原油高が始まった渦中に、子会社SSがこれでは、国内石油部門が足を引っ張っている元売収益構造が改善され、浮上するわけはない。
 我慢に我慢を重ねる据え置きSSの多くは、地域の中小SSだ。これ以上、負の連鎖に地域SSを巻き込まないでほしい。できれば、地域社会を、SS業を、より良い方向へと牽引する力を発揮してほしい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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