日刊ニュース

2014.02.24 のニュース

-JXなど国際パネルディスカッションーブレント原油 115ドル前後で推移 LNGの安価な調達は厳しい

 JX日鉱日石エネルギー、エネルギー経済研究所などの共催による第23回国際パネルディスカッション「これからの石油・エネルギー情勢をどうみるか」は、19日に経団連会館で開催された。原油価格、国際情勢の短期・長期見通し、LNG情勢などをテーマに議論された。
 パネリストはカルーソ・戦略国際研究所シニアアドバイザー、フェシャラキ・AFTCTSグループ会長、野神隆之・JOGMEC上席エコノミスト、司会は小山堅・エネ研常務理事で行なわれた。
 冒頭、豊田・エネ研理事長は「国内ではエネルギー基本計画(案)が策定され、原発はベース電源としての位置付けの方向にあり、近く閣議決定されるが、LNGの安価な調達など多くの問題が山積している。早い時期にエネルギーミックスの目標が設定され、その目標に向けての取組みが望ましい」と挨拶した。
 2014年の原油価格の見通しについては「ブレントで100~110ドル/バーレルでの推移が見込まれる。供給ではイラン、イラク、リビア、シリアなどの復帰で供給増から下方圧力がかかるなど転換期を迎える」。「WTIで95~105ドルで推移する。ブレントは、WTIに比べ10ドル高で100~115ドルが中心値で推移、上下にぶれると95~120ドルとなる」との見通しが述べられた。
 中期見通しでは「アメリカでのシェールガス・オイルの開発が進むのと、国内の需給は省燃費車の普及などで減少する。中国経済も減速するなどOPECの供給シェアは低下するが供給増となり80ドルへ値下がりする」と前年と同様に下落を予想した。
 LNG情勢については「日本は安価な調達を求めているが、その方策となると厳しい。LNGは長期契約であり、買い手が決まり、その後に用船、基地を建設して取引を開始しているため余剰玉もなく、先物市場の形成は難しい。その結果、原発の再稼働による消費の減少が重要となる。アメリカからの輸入で原油価格リンクの数量を増やすのと、自主開発で供給を確保することである。消費国間での共同輸入構想、ロシアからのパイプライン構想もあるが実現は難しい」との見解が示された。
 また、メタンハイドレートの商業化の目途についての質問が出たが、野神氏は「平成30年代の後半に民間企業等を中核とした体制を整備するとしている。生産実験を実施しているが、技術開発面からも商業化には相当な時間もかかる。シェールガスの開発が成功した例もあり、今後に新しい技術開発を期待しながら推進することになっている」と答えた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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