日刊ニュース

2014.03.03 のニュース

灯油と灯油機器への讃歌

 2013年の燃料油の国内販売は2・9%減の1億9408万㌔㍑、うちガソリンは1・5%減の5625万㌔㍑、灯油は8・2%減の1830万㌔㍑、軽油は1・5%増の3391万㌔㍑で、SS関連の3油種計は1・8%減の1億846万㌔㍑となった。灯油を筆頭に、減退の側面が強く出ているのは事実だが、実は燃料油計の減少率のほうが高い影響で、内需合計に占める3油種シェアは前年の55・3%から55・9%へ、ガソリンも28・6%から29%へとアップしている。
 ところが灯油シェアは前年の10%から9・4%となり、10%を大きく割り込んだ。05年までは3千万㌔㍑前後の内需を擁し、11年連続して12%を超えていたが、暖房や給湯向け民生エネルギーにおいて、電気やガスに対しての劣勢は否めない。かつての薪炭に灯油が勝ったように、ほとんどスイッチ一つで事が足りる競合エネルギーのほうに軍配が上がってしまう。ただし、有事の際は大きく事情が異なる。まもなく丸3年を迎える東日本大震災の際、その後に沸き起こった分散型エネルギーとしての再評価、さらには今回の関東甲信2014豪雪でも、灯油はきらりと光りを放ち、ほかほかの暖気を届けた。
 競合エネの側に、汚れない、臭わない、補給が要らないなどの優位性があっても、寒冷地においては、ほかに選択肢がないように灯油が選ばれている。冬場に断絶・孤立リスクと隣り合わせの生活者は、その熱量やエネルギー密度の点において断然勝る灯油を選び続けている。汚れにくく、臭いが少なく、補給もラクという灯油機器の進化も続いている。
 家庭内に消火器が備えられているように、一家に一台、自立電源型の灯油ストーブを備える。暖房期に入ったら、灯油18㍑を必ず家庭内備蓄をする。不需要期前に灯油を使い切る、またはSSで引き取る。
 全国の2人以上世帯総数は3520万世帯。総務省の家計調査による灯油使用世帯はその2割。2800万世帯が、そのターゲットだ。
 灯油の経済性は、電気やガスよりも断然、勝ってはいるが、原油高の長期化と円安によって、その優位性は損なわれる一方だ。それでも自立型のスタンダードな灯油ストーブは、競合エネ使用の暖房機よりもはるかに安価だ。㍑100円超という歴史的高値になってはいても、それで1シーズンの安心を担保できる。

提供元:全国石油商業組合連合会
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