2014.03.05 のニュース
ガソリン末端転嫁へ 仕切の値上げ受け始動~3月中にはマージンを確保~
ガソリンの仕切価格は1日からJX、昭和シェルが3円/リットル、出光が2円10銭の値上げを実施となり、販売業者はユーザー転嫁に取り組むことになった。仕切価格は小幅な値下がりが続いたことから末端市況は下落しており、石油情報センターの調査価格(24日)では平均で158円となり前週比では20銭の値下がり、4週連続値下がりで累計70銭の値下がりとなった。東京が159円、神奈川が155円、干葉が154円となっているが、この調査は現金価格であるため実勢価格は2~3円低い。安値(セルフ)は150円を割っているため、これを150円台に乗せることになる。軽油も平均では138円60銭と3週間で累計60銭の値下がり、灯油は103円80銭となり4週累計で80銭の値下がりとなっている。このように連続の下落となっているため、4~5円のユーザー転嫁に取り組むこととなり、安値を底上げしてマージン確保を狙う。4月からの消費税増税を前に市況を是正することになるが、3月末で設備処理が仕上がるため需給はバランスを保つものとみられる。
ガソリンの3月対策は、4月から消費税の増税が実施となるため、3月末までには安値を底上げして、適正マージンを確保したいとの思惑がある。3月末には仮需要が発生するため、需給も締まり、値取りができる環境が整備される。その反動で4月販売は大幅に落ち込むことになり、3月と4月では販売数量が大きく変動する。まず3月時点で適正マージンを確保できる体制を構築することになる。
4月1日から消費税の増税転嫁に取り組むことになるが、増税分以上を転嫁すると便乗値上げとなるため慎重な対応が求められる。増税分は5~6円となるが、満額を転嫁することで増税分の徴収に全力をあげる。そのためにも需給をタイトにして臨むことになる。
満額転嫁のためには、3月の早い時点で適正マージンを確保することがポイントとなる。3月に入ると、様々な商品で仮需要が発生するため荷動きも活発化するが、4月に入ると、その反動で減販となり、景気の後退が予想される。政府も景気対策を講じているが不況となる公算も強い。
3月の仮需要による増販を4月の減販で調整されることになるが、4月以降のガソリン価格は160円を超すため、大幅な減販が懸念される。高値による節約も発生するが、過去には2008年8月に185円を記録しており、一度高値を経験しているため心配がないとの見方もある。だが、高値が長く続くと減販による焦りから価格競争の再燃が予想される。
一方、設備処理が4月で仕上がるため減産となり、需給がタイトになるタイミングと合うことで乗り切れるとの見方もある。