日刊ニュース

2014.03.05 のニュース

ガソリン、灯油減販が定着-軽油の微増も限定的で苦戦が続く-

 ガソリン、灯油は減販、軽油は微増というパターンが続いている。1月の石油特計速報によると、ガソリン販売は430万キロリットルで前年比1.8%減、灯油は285万キロリットルで13.1%減、軽油は262万キロリットルで3.1%増となった。軽油は復興需要で増加しているが、ガソリンは省燃費車の普及、人口の減少、高値による節約などで減少している。灯油の減販は暖冬によるものであるが、電気、ガスヘの燃料転換も続いている。
 ちなみに12月もガソリンは499万キロリットルで3.2%減、灯油は290万キロリットルで14.4%減、軽油も301万キロリットルで2.7%減となった。軽油は前年が3.2%増の高水準であったため、その反動減となっている。2013年の暦年ではガソリンが1.5%減、灯油が8.2%減、軽油は1.5%増となっている。
 2月販売は2回の大雪で車の利用が減少したため、ガソリンは3%程度の減販、灯油は冷え込みで出荷増が見込まれたが、前年の横ばい程度とみられている。
 ガソリンは今後も減販が予想されるが、それでも販売業者は増販を狙っており、価格競争から市況下落によるマージン低下が定着している。減販による経営不振でSS数は減少しているが、減少した分、1SS当たりのガソリン販売量が増加しているケースもある。また、フルサービスSSは減少の一途をたどっているが、セルフは増加しており、今後もセルフ比率は増加することになり効率化が加速する。販売業者間でもセルフが勝ち組みとなり、フルサ-ビスSSは現状維持か負け組みとなり明暗を分けている。
 この現状を受け、元売の販売戦略は確実にセルフSSにシフトしている。セルフは薄利多売であり、低マージンでの経営が可能となるため価格競争が展開され易く、それがSSの淘汰に拍車をかける。ここにきてSSの減少による過疎化問題が取り上げられているが、このあたりでSSの減少に歯止めをかけて、適正マージンの確保、安定供給に努めるべきであるとの意見が出てきた。公正な取引の形成を求めて、全石連では議員立法での規制による秩序化の動きに期待をかけている。行き過ぎた自由化を是正することになるが、法律となると販売業者の利益のみだけでなく消費者の保護もあるため、成立までにはかなり時間がかかる。
 平行して業転問題が表面化しており、安い業転玉を購入できるHC、量販店の安値セルフと、系列仕切価格で購入するフルサービスSSとの対立の要因となっている。業転と系列仕切との価格差の縮小が求められているが調整は難航している。
 灯油は東日本大震災を機に、重要性が認識されて需要回復が期待されたが、今シーズンは暖冬の影響もあって大幅な減販となりそうである。基調は、電気・ガスヘの燃料転換が進むのと高値による節約も影響して、今後も減少する見通しである。
 減販傾向の中で唯一、軽油は増販となっている。ただ、これは復興需要によるものであり、被災地での重機の稼働、トラック輸送増による一時的なもので、景気が本格的に回復して物流が増加しない限り長期的な増加が見込めない。各油種とも減販傾向の状況下で、4月の消費税の増税が完全に転嫁できるのか、正念場を迎えることになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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