2014.03.07 のニュース
市況下落でマージン低下-代行手数料が上回る状況に-
ガソリン市況の低迷で、元売と流通のマージンは低下している。安値地区の流通(SS)のガソリンマージンは10円/リットルを割っている。市況が下落するとマージンが減少することになり、その結果、発券店値付けカードの代行手数料の7円の方がマージンが多いというケースも生じている。
販売業者サイドでは、「代行手数料の7円は安く、これではコストが回収できず、赤字となるため給油を辞退したい」、「代行手数料を引き上げるべきである」との要望が出ているが、現状はマージンが7円も確保できない市況にある。安値地区では7円の代行手数料の方がマージンが確実に保証されるため得策であるとの皮肉な見方も出ている。
都心部SSの掛売のマージンは15円以上あり、代行手数料の7円に比べると8円も多い。だが、掛売りの固定客が一気に発券店値付けカードの会員に変更されれば、マージンは半額となり収益が半減するため経営難となり、廃業に追い込まれたSSも多い。都心部のSSは、掛売が多く、土地代、人件費などのコストが高く、高マージンでないと経営ができない体質となっている。
一方、郊外部の安値地区ではコストが安いため、低マージンでSS経営が可能となる体質を備えている。殆どが現金価格での販売となっており、マージンは少ないがローコスト経営となっている。だが、安値価格に、さらにいろいろな割引き販売を加えるとマージンはゼロとなるケースもあり、油外収益でカバーするSSもあるため、ガソリンの価格競争はエンドレスである。
このように、掛売が多い高コストの都心部と、現金が多く販大数量が多いローコストの郊外部とに分かれた経営が行なわれている。販売業者内部でも、東石商などの大都市の販売業者は、発券店値付けカードの発券には反対している。逆に地方では、7円の代行手数料でも、直接、増販増益に繋がるため賛成する立場にある。このため全国ベースの問題として取組むことには調整が難しい。
結果的には、販売数量が少ない高コストの都市部のSSが減少していることもあり、元売のSS戦略では薄利多売の郊外の大型セルフを増やすことを重点としており、都心部のフルサービスSSを減らす方向にある。ガソリンの増販を狙い、SSでのガソリンのマージンがゼロでも、油外商品の販売で利益をカバーすべきとしている。そのためガソリン販売は価格競争が激化しており、ガソリンのマージンは期待できず、TBA、オイル、洗車、整備などの油外収益で稼ぎ、ガソリンのマージンはゼロでも安定したSS経営を行なうことができると指導している。
しかし、SSのガソリンマージンが減少することは、最終的には元売のマージンを減少させることになるため、最近はSSのマージンゼロの旗を降ろして、適正マージンの確保を重視する方向に変更している。ガソリンの市場は、元売のみがマージンを確保できる市場を形成することは不可能であり、販売業者を含めたグロスマージンを確保して、これを分け合う形となる。業転と系列仕切との価格差問題が表面化しているが、要はマージンが確保できるか否かが問題の争点であり、この解決に向け議員立法での対応が検討されている。