日刊ニュース

2014.03.12 のニュース

仮需要の反動と増税で大幅減販-設備処理、定期修理で需給はバランス保つ-

 石油製品の需給は、3~4月で大きく変化する。3月末では4月からの消費税の増税を前に仮需要が発生するが、4月に入ると、その反動で販売減となり相殺される。これに合わせるように設備処理が完了するため、4月からは減産対応となる。さらに製油所の定期修理が重なるため、今後、需給はバランスを保って推移するものと見られる。
 また、消費税の増税で各製品は値上がりとなり、高値感から節約による減販が見込まれる。増税を機に減販が加速するのか、小幅な減販で定着するのか気になるところである。今後の景気動向と個人消費の伸び、アベノミクス効果がポイントとなってくる。ガソリンの販売価格は、3月の仕切価格の値上げで末端市況は5円以上の値上がりとなり、ボトム価格は160円に、4月の消費税の転嫁でさらに5円値上げとなるため、ボトム価格は165円/リットル相場が見込まれている。掛売は170円となり、一時は高値による節約で減販が予想されている。
 石油業界では、3月の仕切価格の値上げ、4月からの消費税の増税の転嫁が浸透するか否かが正念場となる。元売は足元の3月期決算は赤字が見込まれており、3月値上げの達成で挽回を期しているが、赤字となれば、14年度も赤字のスタートという厳しい状況となる。
 一方、好材料としては、3月末で設備処理が完了するため4月以降は減産となり、需給はバランスを保ち、市況も安定化して適正マージンの確保が見込まれる。各社の設備処理対応は、コスモは坂出を閉鎖して物流基地(油槽所)へ移行、6日には移行式が行なわれた。JXは室蘭のトッパーを削減して石油化学工場へ、出光は徳山のトッパーを削減して石油化学工場に3月末に転進する。東燃ゼネ石は、川崎第一、和歌山第二を削減して。川崎のH‐オイルを増設することになっている。極東もトッパーの削減を発表しており、追加対応が求められているコスモ、太陽は近く方針を明らかにする。さらに製油所が春の定期修理に入るのと、火災事故などもあり、減産効果によって需給はタイトで推移するものとみられている。
 ガソリンの販売は、3月末には仮需要が発生する。消費税の増税は4~5円の値上げとなるため、ユーザーは自己防衛の立場からとりあえず車のタンクを満タンにする。そのため3月末には確実に販売数量は増加するが、その数量は多くはないとみられる。この増販は4月の仮需要の反動の減販で調整される。現在も減販傾向にあるが、増税を機に、さらに減販の幅が大きくなることが懸念されている。当面は設備処理による減産で需給は適正化され、これに製油所の定期修理が重なり、さらに輸出増での対応のため、需給はタイト
になることが見込まれている。ただ、予想以上に減販となると需給バランスが崩れることになる。
 今後も国内の需要減少が続くため、現在、高度化法の大臣告示の改正で、引き続き、設備処理を実施する方向で検討に入っている。同時にコアの石油事業の基盤を強化(製油所間の連携強化など)しながら総合エネルギー企業を目指して、石油化学、石油・天然ガス開発などの海外展開、電カ・ガス事業への進出など、方策を検討することになっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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