2014.03.13 のニュース
-石連 パネルディスカッションー灯油供給 消費者に理解を求める 緊急時に備え、平時から使用を
石油連盟は10日、経団連会館で第2回シンポジウム「石油の力。」を開催した。基調講演に続き、パネルディスッカションでは「安心してご利用頂くために」と題して、消費者目線からの石油安定供給、灯油の価格問題など石油業界への要望と、これに応える形で、新井・石連広報委員長が理解を求めて丁寧に説明するなど意見が交わされた。
出席者はパネリストとして、消費者団体から山根香織・主婦連合会会長、大石美奈子・日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会環境委員長と、新井純・石油連盟副会長広報委員長、豊田正和・エネルギー経済研究所理事長、コーディネーターは後通康浩・日経新聞編集委員で意見交換が行なわれた。
豊田・エネ研理事長(総合エネ調委員)はエネルギー基本計画(案)について「石油は今後とも重要なエネルギー源であり、供給の最後の砦として供給網の強靭化を推進すべきと位置づけている」、今後の石油産業の課題については「全国の供給網の維持のために経営基盤の強化、そのためには総合エネルギー産業化、海外進出への強化による収益力の向上、また、公平かつ透明な取引構造の確立が提示されており、石油業界も積極的に取り組んでいる」と説明した。
さらに、石油の緊急時における重要性が評価された理由として「貯蔵、調達、輸送、融通の4点が容易である」との特長をあげた。
灯油について、主婦連のアンケート調査によると、使い良さは①停電でも使える、②家庭での備蓄がし易く持ち運びができる、③購入しやすい、④節電になる、などの点があげられた。一方、使わない理由(不満)については、①給油が面倒である、②臭い、汚れの後始末が大変である、③購入が面倒である、などの点が説明された。
灯油に関する要望は①使い易い灯油製品の開発、②灯油の正しいメンテナンスの周知、③安定価格、安定供給、④購入不満の解消、⑤安全性を高める対策の期待、⑥電気を使用しない機器の開発、非常時に対応して公共施設に灯油の備蓄、機器の設置、などが提示された。
これらの要望に対して新井・石連広報委員長は、使いやすい機器開発、メンテナンスの周知については「機器メーカーの協力で省エネタイプ、安全性などに配慮した新しい機器を開発、発売している。メンテナンスも研修会を開催している」と説明。
安定供給については「需要は減少しているが、予想外の減販となった場合でも緊急輸入や、他の油種の生産を抑えて増産できる。韓国などにタンクを確保して灯油を備蓄しており、供給面では万全であり心配はない」と答えた。
公共施設などの灯油、機器の備蓄については「緊急時に備えて平時から灯油を使用して欲しい。全てを灯油で賄うことでなくても一定数量は使用していないと緊急時には対応できない。大震災を機に、石油連盟と地方自治体とが契約して緊急時における灯油の供給体制を整えているが、それには平時から灯油を使用していないと難しい」と語った。