日刊ニュース

2014.03.19 のニュース

月末に石油・天然ガス小委開く-高度化法で装備率の定義など議論-

 総合エネ調石油・天然ガス小委は月末にも開く。テーマは石油産業の事業再編・構造改革、高度化法の大臣告示の改定、総合エネルギー企業化、海外事業展開、さらに流通問題として公平な石油製品の取引構造の確立などの検討が行なわれる。
 エネルギー政策全般、石油政策については、基本政策分科会でのエネルギー基本計画(案)の策定段階で審議を終えているが、さらに石油政策を掘り下げて検討することになったもの。当面の課題は、時間的な制約がある高度法の改定と、需要見通しに伴う基準備蓄量の設定となる。基準備蓄量は、平成26年度の石油需要の見通しが決まれば、これに基づき自動的に決まる。
 高度化法については、3月末までに設備処理が実施されることになっており、各社が対応している。コスモが11日に四日市で4万3000バーレル/日のトッパーを削減すると発表しており、残る太陽は近く方針を決める。太陽の場合は、高度化法の届け時(14年2月)以前にRFCCが完成しており、装備率が21%と高くなっているため、これに15%以上の改善が求められている。
 今後の対応策については、引き続き原油の有効利用(白油化)の観点から継続して実施の方向であるが、その場合、重質油分解装置の装備率の内容(定義)、改善目標、取り組み期間などの見直しを検討することになる。現行の実施策については、各社ともに不満が残っており、今後については意見を聞いたうえでの、丁寧な説明を要望している。
 石油産業の事業再編・構造改革については、製油所間の連携強化を狙い「地域・資本の壁を超えて設備の増強、廃棄に支援する」ことで予算措置を講じている。その1号としてコスモ・千葉と極東との連携により、統合型運営が検討されている。
 総合エネルギー産業化では、石油事業をコアにして海外展開(石化プラント、製油所の建設、石油開発事業など)、石油化学品へのシフト、電力・ガス事業への参入を目指すものである。そのために、コアの石油事業の体質強化、国際競争力の向上を掲げている。
 これら事業展開は、各社とも得意分野を重点にすでに取り組んでいる。海外展開となるとリスクも大きく、巨額な投資資金も必要であるため慎重さが求められるが、海外市況の動向、タイミングなど、決断の時期が事業の成否を分けることになる。
 海外展開では、出光がベトナムで製油所の建設(17年に運転開始)、カナダでアルタガスとの間でアジア向けのLNG、LPGの輸入・販売で合意、16年にはLPG、17年にはLNGの輸出・販売を目指している。JXはインドネシアで石油の輸入・販売事業(5月)を開始する。
 石油化学事業では、JXがSKと共同で、韓国ウルサンでパラキシレンのプラントを建設(年間100万トン)。コスモもヒュンダイとデサン(大山)で80万トン/年を13年に完成。昭和シェルと太陽がGSカルテックスとヨス(麗水)に100万トン/年の設備の増設を検討中である。
 公平な石油製品取引の確立については、全石連が先行して自民党・石油流通議連を通じて議員立法の動きもあるが、これとは別に、石油・天然ガス小委で解決の糸口を探ることは、商取引の問題であるため難しい。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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