2014.03.20 のニュース
ガソリン転嫁は仕上げ時期に-地域価格差の是正を急ぐ-
ガソリンの仕切価格は3月から値上げとなり、これを受けて販売業者はユーザー転嫁に取り組んでいるが、スタート時であるため、地域価格差が生じている。ボトム価格160円を目安に相場づくりに取り組んでいるが、実態は転嫁の開始時期などの時間差もあり、一時的ではあるが価格差が拡大している。
業転と系列仕切価格の価格差を背景に、HC、量販店とフルサービスSS、都市部と郊外部、現金と掛売価格などの間で価格差が拡大している。ユーザー転嫁の最中であるため一時的に格差が拡大しているのであるが、この価格差が早期に是正されないと、安値に引っ張られてユーザー転嫁は難しくなる。
HCと都市部のセルフサービスSSとの販売価格差は10円以上に、業転と系列との価格差は5円程度が存在している。全石連では価格差の是正を求めて運動を展開しているが、この問題の早期決着は見込めない。足元では仕切価格は値上げ実施となっているため、まず、ユーザーに完全転嫁してマージンを確保することが最優先となる。価格差の是正問題は、長期的な問題と区別して対応することになるが、販売業者間でも焦りと不満が高まっている。
だが、4月の消費税の増税転嫁が迫っているため、3月対策は休む暇もなく対応が求められている。ここ当分の間は、ユーザー転嫁の仕上げに専念することになる。今回も仕切価格が先行して値上げとなり、これに業転、先物市況が追随して値上がりすることを見込んでいる。需給が逼迫していれば、業転、先物が先行して値上がりするが、需給が安定している場合では、業転の値上がりが遅れ気味となる。
ガソリンの仕切価格は3月の累計では5円以上の値上がりとなっており、ユーザー転嫁は5円以上を狙っているが、一方、業転は3~4円の値上がり、先物は値上がり幅が少ない。そのため一時的には、業転と仕切価格との価格差が拡大している。
元売サイドは、下期から市況低迷によりマージンが減少して業績は悪化しており、1~3月で業績の挽回を狙っているが厳しい状況にある。3月は平成25年度の決算月であることから、赤字幅を縮小するため市況を立て直し、マージン確保を狙っている。好調であった石化は市況が軟化しつつあるが、石油開発は原油価格が高止まりであるため、利益は確保できそうである。ここでコアの石油事業が黒字に転換することが最大のポイントとなる。
販売業者も、元売と同様にマージン減で苦戦が続いている。4月からの消費税の増税を前にして、3月中に値上げして適正マージンを確保し、4月からの増税転嫁に対応したいところである。ガソリンが160円台に乗せると、高値感から節約による減販が懸念されるが、4月からの増税を前にして月末に仮需要が出るため、増販となる。3月販売は減販の心配はないため、ユーザー転嫁は浸透しそうである。
4月には仮需要の反動による減販も予想されるが、春の行楽、4月末からのゴールデンウィークで需要が回復するとの楽観的な見方もある。景気の回復に期待がかかるが、好天気が続けば販売数量は維持され、マージンが確保されるとみて当面のユーザー転嫁に取り組むべきである。