2014.03.25 のニュース
売り手市場での元売の責務
4月からの消費増税と温暖化対策のための石油石炭税の増税。いわゆるダブル増税によって、卸・小売市場における今週からの仮需の発生、さらには4月からのその反動を予見する。ガソリンなら、旧暫定税率の上乗せ25・1円と、これに課せられていた消費税1・255円、合計26・355円。軽油なら、旧暫定税率の上乗せ17・1円。まずこの金額の値下がり、さらには1ヵ月後に同額の値上がり要因が発生した2008年3月末から5月入りの需給の現実を再考察してみる。
08年3~5月の内需は、前年比でガソリンは3月14%減、4月17%増、5月6%減、軽油は3月10%減、4月4%増、5月2%増となった。さらに詳しく見てみると、石連統計によるガソリンの週出荷量は、3月最終週94万㌔㍑、4月1週137万㌔㍑、4月最終週156万㌔㍑、5月1週65万㌔㍑となっている。最大と最小の格差は実に2・4倍に達しており、凄まじい大量の駆け込み仮需と買い控えが発生している。
4月ダブル増税による値上がり想定は、最大のガソリンでさえ5~6円にとどまるが、今週末にピークを迎えるであろう増税前狂想曲の発生に対して、さらには、来週火曜からSS店頭に舞い降りるであろう閑古鳥に対して、それぞれ十二分に予防措置と対策を講じておきたい。
まずSSは、ぜんせき提供のポスターで、石油はダブル増税であることの周知に努めたい。160円のガソリンには63・7円もの高額、さらには3段階4種の多重な税が含まれ、全税別では96・3円でしかないこと。ガソリン税や石油石炭税にも消費税が課税されており、現状2・8円のタックス・オン・タックスが、消費増税で4・49円に達してしまうこと。53・8円のガソリン税のうち、基本税率は28・7円で、当分の間税率という奇妙な税が25・1円多く課税されていること。この3点を訴求できればなお良い。
元売は、待望の売り手市場の発生に安穏することなく、最大限、系列SSへの安定供給に努めることに尽きる。原油見合いとは言い難い最近の卸高に対する説明責任も負うべきだろう。とりわけ、玉切れを起こして開店できなくなった系列SSをしり目に、ローリーが次々と荷卸しする大型PBSS。きょうからの丸8日間は、大震災直後の3年前の首都圏の一部で発生してしまった光景を再現させてはならない。