日刊ニュース

2014.04.03 のニュース

ガソリン5円転嫁へ ボトム162~163円で仕上がり~今後の需給タイトを期待~

ガソリン市況は、1日からの消費税の増税で5円/リットル転嫁でボトム165円相場を狙ったが、3月末で157~158円が多く、仕上がりは162~163円となっている。3月の仕切価格が累計で3~4円の値上げとなったが、その転嫁が遅れたため、増税転嫁が重なったことで、元売、販売業者とも厳しい状況下にある。仕切価格は3月末は据え置きとして、4月初めは、まず5円の増税転嫁を重点に臨むことになった。3月末の増税前の駆け込み需要で3月販売(出荷)は3~4%増となったが、実際にユーザーが買いだめしたのか、SSで在庫を持ち込んだのかは、あと数日待つことで明らかになる。いずれにしても仮需要は発生したことになるが、4月の反動減が気になるところである。4月からは設備処理が実施となり、需給はタイトになるため値取りが見込まれる。さらに月末から5月初旬のゴールデンウィークの需要期を迎えるため、実需要の動向がポイントとなる。また、新年度入りとなり、元売も業転との価格差問題の是正もあり、新しい体系づくりに取り組む方向にある。
 ガソリンの平成26~30年度の需要見通しでは、年率2%の減少が見込まれている。減少幅がこの水準を上回るのか、下回ることになるのか、実需要の動向が注目される。いずれにしても省燃費車の普及、少子化、若者の車離れなどでマイナス予想となるが、どこまでマイナス幅を抑えることができるのかがカギとなる。
 ガソリンの需要を喚起する方策は難しく、ユーザーによる車の利用率を向上させるには好天気、夏場の猛暑を期待することになるが、減販下での商戦はマージンを確保するしか方策はない。マージンの減少を油外収益でカバーするとの戦略も限界にきており、元売、販売業者ともガソリンのマージン確保を再認識する時期にきている。
 現行の仕切価格の値決め方式は、基調が業転リンクとなっており、それに原油、為替のコスト動向、他社の動き、末端市況など総合的にみて打ち出しているが、値取りができず、下期以降は、在庫評価益を除くと赤字となっている。3月は仕切価格の値上げで若干の回復が見込まれるが、構造的な赤字となっている。ガソリンの業転安が目立ち、他油種に比べて一番安値となるなど異常な状況が続いているのが要因である。
 業転と系列仕切との価格差問題の解決策としては、業転価格を引き上げる以外にない。今までは需給が緩和していたため難しかったが、設備処理で需給がタイトになり、業転が値上がりすることが期待されている。また、現行の基調となる業転リンクでの方式を改めて、石油製品の90%を占める原油のコスト変動を加味した価格体系に移行するとの案もある。
 価格改定日もコスモ、EMGが実施は火曜日(通知は前日の月曜日)、昭和シェルが実施は水曜日、JX、出光は実施が土曜日と、これまでとは違う流れとなってきている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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