日刊ニュース

2014.04.09 のニュース

安値感を与え誤認を招く外税方式-総額表示で公正な販売姿勢を-

 消費税の増税転嫁は1日からスタートしており、SSサイドでは総額表示(内税)で実施となっているが、中には外税表示をしているSSもあり、エネ庁では、ユーザーに誤認を与えるとして、SS業者に対し総額表示を行なうよう協力を要請した。全石連経営部会でもこの問題を取り上げて、実例を提示して消費者庁に外税表示を取り止めるよう指導を要請した。
 ユーザーが外税表示価格をみて安値と判断し給油した際、これに消費税(8%)を加算され、表示より高額の請求をされたとの苦情が出ているもの。外税方式のSSは約40力所程度あり、石商の組合員もあるが、PB、無印SSが多い。ユーザーに安値感を与えることで増販を見込む商法として、増税後に出現することが予想されていた。各石商サイドではユーザーに誤解を与えることになるとしており、また、外税方式が混在すると価格競争を誘発し、市況が混乱する要因となるため外税方式を
行なわないことで合意を得ていた。
 消費税の価格表示については、法律(消費税転嫁対策特別措置法)では「消費税込み価格であると誤認されないための措置を講じているときに限り」との条件で外税方式を認めている。そのためSSでの外税方式は違法ではないが、SSにおける価格表示は「歩行者が明瞭に認識できるのみでは不十分であり、走行中の車の中からでも明瞭に認識可能なものが必要である」とされている。
 ガソリンの総額表示価格164円/リットル石油情報センターの調査価格)に対し、外税表示価格では152円となり、消費税分12円を除いた価格となっている。消費税分の12円安の152円となるためユーザーには割安感を与えることになる。
 ガソリン価格の164.1円の構成については、原油コストが70.9円/リットル(3月上旬のCIF価格)、石油石炭税が2.25円(4月からは2.54円となる)、ガソリン税が53.8円、これに精製・流通マージンが24.9円か加算されて計151.9円となる。消費税12.2円を加算すると164.1円となり、0.1円を丸めて164円となる。
 精製・流通マージンは約25円となっているが、精製・元売と販売業者までのグロスマージンとなり、2
5円を双方が分け合うことになる。販売業者が10円とすれば元売が15円となるが、共に低マージンで厳しい経営が続いている。双方で適正マージンの確保は重要とされるが、元売と販売業者間では業転と系列仕切との価格差問題もあり、対立関係が続いているが、増税転嫁を機に早期な調整が求められている。
 一方、外税表示では税抜価格が大きな数字で店頭表示されているが、その下に小さく「外税」「税抜き」、「本体価格」などが掲示されており、車の中から見えにくく、夜間では全く見えないケースも多々ある。さらに「税抜価格」での表示では、消費税のみを控除した金額となるが、ガソリンなど石油製品価格には、消費税の他に、ガソリン税、軽油引取税、石油石炭税が課税されており、「税抜き」との表示には、事実との整合性が問われることになる。
 エネ庁、消費者庁が指導に乗り出したことから外税表示は姿を消すことになるが、増税転嫁後の市況安定が求められる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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