2014.04.18 のニュース
設備処理、流通証明書の効果、業転値上がりの成果を見込む
高度化法によるトッパーの廃棄、能力削減の影響で需給が締まり、業転市況は値上がりが見込まれている。加えて流通証明書添付の義務付けも実施となり、業転ルートが明確化されることになるなど、供給体制が変わることになる。そのため無印SS等への供給が厳しくなるのではないかとの見方も出ている。
さらに製油所の定期修理が5月に集中するため需給が一段とタイトになる。元売間のジョイントも、設備処理を機に見直しされることになり、玉の手当ても難しくなるなど、供給面では不備となるため、新しい問題点も指摘されている。そのため業転玉が少なくなり、値上がりすることで系列仕切価格との価格差が縮小され、業転問題が解決するとのシナリオも期待されている。
ここにきて業転も2円/リットル程度値上がりしており、82~83円(税抜き)となってきたため業転と仕切価格との価格差縮小の兆しがみえてきたようである。業転の値上がり、価格差の縮小が定着するか否かは、当分の間、様子をみることになるが、需給タイトが続けば実現しそうである。
設備処理の狙いは、供給増による業転玉の出回りを少なくすることであり、業転の値上がりでマージン確保となれば、その目標が達成される。だが、業転の実態は不透明なところも多い。業転の定義として大手商社、大手販売業者などの扱いを含めているのか、いわゆる無印SS、HC、量販店など多岐にわたっており、設備処理、流通証明書添付の実施を機に、業転の実態が把握されるのか、新しく供給体制が整備されるのかも注目されるところである。
元売サイドも、業績挽回のチャンスとしてとらえていた。1~3月で挽回を期したが、1~2月はマージン減で悪化、3月では仕切価格の値上がりと原油コストの低減でマージンは若干回復したが、石油事業の業績では実質赤字となりそうである。
新年度のスタートである4月は、前半が3月末の仮需要の反動で減販となるが、月末のゴーデンウィークでガソリンが増販となれば月次の業績は黒字が期待されそうである。
4月1日からの消費税の増税分は転嫁されたが、あくまで税金分であり、マージン増には繋がっていない。そのため、今までの未達分を回収することが不可欠となる。しかし、末端のガソリン市況は減販の影響で値下がり気味でありマージン減が心配されている。
それでも5月に入れば、引き続き需給タイトの状況が続くことが予想されており、業転の値上がりでマージンが回復して黒字定着が見込まれている。原油価格、為替の動向でコストが大きく変動するため予想は難しいが、基調は減販で推移するが、需給はタイトで推移する。
設備処理の効果は、これから出るものとみられるが、すでにガソリン、灯油在庫は、前年に比べると40万キロリットルも低い水準で推移している。過去の実績からみると、需給タイトで業転は値上がりも予想される状況にあるが値動きが少ない。在庫が減少してもそれ以上に販売が減少しており、物流の合理化で低在庫でも安定供給が確保される体制になっている。だが、今回の設備処理が完了することで需給は一段とタイトになり、5月頃になるとその影響がハッキリ表れるものとみられる。