日刊ニュース

2014.04.21 のニュース

ガソリン高値で節約強める-需要回復には減税措置が必要-

 ガソリンの消費税・増税分5円/リットルは転嫁されたが、その後、市況は下落している。増税分の5円は税金であるため販売業者のマージン増とはならず、増税による減販の影響でSS経営は厳しくなっている。5円の転嫁は大幅であるため完全転嫁が心配されたが、販売業者の足並みが揃い完達となった。
 石油情報センターの1日の調査価格では平均で164円となり、一気に増税分の5円が値上がりとなった。その後は横ばいが続いているが、一部では下落しており、仕切価格は3月で3円、4月で1円の値上がりとなっているが、この仕切価格値上げ分は未転嫁となり、販売業者が負担していることになる。
 今後、心配されるのは増税後の販売動向となるが、減販がどこまで続くのか、いつ需要が回復するのかが注目されるところである。3月末では仮需要が発生、その反動による4月初旬の減販は予想されたが、高値となったことで節約が浸透、影響を及ぼしている。高値により減販はガソリンに課せられた高額な税金が要因となっているためであり、減税を要望する時期にきている。
 ガソリンの需要の見通しは年率2%減となっており、今後も減販が続くが、増税を機にマイナス基調が拡大するのかは、当分は様子待ちとなる。これから月末のゴールデンウィークとなるため増販期待が高まっており、この時期の動向が今後の方向を示すことになりそうである。ポイントは、160円相場が高値とみて、節約が一段と浸透するか否かである。
 ガソリンの減販は、少子高齢化、省燃費車の普及、若者の車離れなどの点があげられるが、これに高値感による節約が加わることになる。車は生活必需品であるため、価格には影響されないとされていたが、高値の影響と省燃費車の普及が減販に拍車をかけるのかがポイントとなる。
 ガソリン需要の見通しでは、価格による影響を加味していないが、引き続き消費税の2%増税が実施されるため、増税の影響は無視できない。増税分は原油価格が値下がりすれば相殺されることになるが、最近のように原油価格の値上がりと同時期での増税となるとダブルパンチで値上がりとなり、高値感から節約ムードが強まる。ここまでくると、ガソリン価格に対しての高額な課税が問題となる。
 ガソリン価格の中に、ガソリン税、石油石炭税が課税されている。これに消費税が二重に課税される、いわゆる税金に税金が課税されるTAX ON TAXの税制が実施されている。このような不合理な税制は石油のみである。さらに4月からは、消費税の増税の他に、温暖化対策の財源確保の目的税として石油石炭税25銭/リットルが増税となっている。25銭の小額であるため知られていないが、この増税分は石油業界が負担していることになる。実質的には消費税の増税を加算して転嫁しているが、ここにきて市況が下落すると増税分の転嫁が難しい状況になる。
 ちなみに一部では、消費税を除く外税方式として、見た目は安い価格(本体価格、税抜き価格)を表示しているが、この場合の本体価格には、消費税を除いているものの、ガソリン税、石油石炭税が加算されているため、税抜き価格という表現に整合性がないことになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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