2014.04.22 のニュース
PB17円、系列24円という問題
地域社会の必需施設であり、そこに生活する人々の必需品を扱うSSを守り通す。その固い決意のもとで政治が仲介して、公正取引委員会と資源エネルギー庁という2つの行政が参画し、SS代表者と元売が共通のテーマに対して、その解決と良化のために議論を尽くす舞台が用意された。協議会の初会合で、SS代表の全石連執行部から提起された問題は、系列玉と業転玉との価格差である。
ガソリン全国平均164・2円というのが小売の近況だ。その中身は、原油CIF想定が71・7円、ガソリン税や8%消費税を含む全税金が計68・5円であるから、SS粗利を含む国内の石油産業の付加価値部分はわずか24・0円に過ぎない。消費税の徴税実額は、その売値によって左右されるから廉売SSほど少額となるが、ここではその多寡は無視する。
PBと系列のSS小売価格値差が10円として、うち3円がSS店頭のコスト、量販による合理化部分に起因するとしても、残りの7円が卸価格の格差に起因することが問題だとして、その大元である精製元売に卸価格体系の問題、業転放出の問題を提起し続けている。卸格差7円のベースは、164円ガソリンの内訳でもあるが、正味は24・0円の内訳に収れんされるから、実は7円ディスカウントされた17円組と、ほとんど優遇措置のない24円組という話になる。
希望卸価格が適用される系列SSには絶望的な24円組という競争条件が、PBには3割引の17円組という優位な競争条件が、それぞれ常時適用されていることになる。
PBが系列SSを駆逐して、どんどん増え続ける。廉売PBが値付けしたガソリン小売価格が、この業界の標準となる世界は、元売にとっても好ましくはないだろう。したがって、元売にとっての良化の方向は、系列SSの良化の方向と完全に重なるはずだ。
縮小し続ける市場で、業界内の価格競争で徐々に疲弊して、ついにはその機能を停止してしまったSS。地域密着でありながら、それでも廃業したしまったSSだ。そのSSを、有利な仕入価格をベースに復活させ、かろうじて生き残っている周辺SSをも淘汰の淵へ追いやる商法が、なぜ次から次へとその領域を拡大しているのか。地域生活者のためにも、「同じ船に乗っている」我々は、政治の決意の原点を改めて直視し、健全な姿でその負託に応えたい。