2014.04.25 のニュース
ガソリン166円に再度挑む-市況が下落気味で微妙な状況-
ガソリンのボトム価格を166円/リットルに引き上げるための市況対策に取り組むことになった。仕切価格が4月に入って1~2円の値上がりとなったのと、3月での未達分を回収するものである。4月1日からの消費税・増税の5円転嫁は浸透したが、その後は市況が下落しており、その立て直しも狙っている。さらに月末からの連休商戦を前にして値上げして、そのまま商戦を乗り切りたいとの思惑もある。
連休商戦では増販が見込まれており、増収・増益のチャンスとなる。しかし、安値で増販しても薄利多売となるため、連休を前に底値を引き上げてマージンを確保したいところである。販売業者サイドも連休に入れば増販に集中するため、途中での値上げは難しく、連休前に値上げすることで発射台を高くして、マージンが確保できる市況形成を狙うことになる。
4月1日からは増税転嫁を見込み、ボトム165円を目標として値上げに取り組んだ。3月での仕切価格の値上がり分の転嫁も加算したもので、一時的に165円か達成されたが、その後は値下がりした。足元はボトムが162~163円となっており、安値は160円の攻防、セルフは160円を割っている。4月初めで目標を達成できなかったため、今回は4月での仕切価格の値上げ分1円を加算して、166円を目標に、再度、挑戦することになった。
しかし、足元の市況は、弱含みであるため、達成できるか否かは微妙な状況にある。減販が浸透しており、減益を増販でカバーしたいと思惑もあって販売業者の足並みが揃うかは流動的である。
さらに地域格差が拡大していることも問題となっている。東京、神奈川と埼玉、千葉とを比べると5円程度の価格差がある。3、4月の仕切価格の値上げ、増税転嫁の際にユーザー転嫁が遅れた地区もあり、価格差が拡大した。この状況が続くと安値地区の値上がりを待つことになり、今後の市況対策にも影響する。
販売業者は増税分の5円を転嫁しても、これは税金分であるためマージン増とはならず、依然としてSS経営難となっている。適正マージンを確保するには現状の市況維持では限界であり、仕切価格の値上げ分をユーザー転嫁しながらマージンを確保すべきである。だが、減販が続いているため様子見となっており、このまま値上げせず連休商戦に入ると、経営改善が一段と難しくなる。
例年、連休商戦では増販・増益となり一息つくことになるが、今年は増税による高値でユーザーが節約するのではないかとの心配が強い。
需給は設備処理によって減産対応となるため、供給増となる心配はないが、予想以上に減販となると、販売業者間で焦りが出る。3月の仮需の反動で4月初めは減販となったが、月末の連休商戦入りで例年ベースに戻れば一段落となる。ガソリンの販売は2%程度の減少が基調となっているため、プラスを期待することは難しい。そのためマイナスで推移しても、焦らずにマージン確保を優先する販売姿勢が求められる。プラスを期待するなかでマイナスに転じると、焦りが出て安値販売へとエスカレートする傾向があるが、ここは減販を時代の流れとして捉えて、冷静に対応すべきである。