2014.05.01 のニュース
増税後の5月販売動向に注目-4月は仮需要の反動で大幅減少-
4月のガソリン販売は418万キロリットルとなり前年同月比で7%減が見込まれている。3月では4月1日からの消費税の増税(3%の増税)を前にして仮需要が発生して、前年比で3~4%増が見込まれ、その反動で4月は減販となった。その他の油種の4月販売をみると灯油は20%の大幅減、軽油は1%減の小幅にとどまったが、A重油は20%減、C重油は電力用が15%減、一般用は10%減と軒並み大幅な減少となっている。
3月の仮需要の反動による4月の減販は予想されたものであるが、4月での減販が大幅であるため3~4月トータルでみると減販となっている。5月販売となると増税による仮需要の反動の影響も一巡するため平常ベースに戻る。実需の動向がハッキリすることからその数量が注目される。ガソリン、灯油などは値上がりで高値となっており、ユーザーの節約が継続するのか気になるところである。総合エネ調の需要予測の通りに今後も小幅な1~2%のマイナス基調で推移するのか、回復に転換するのか、大幅な減販となるのかが注目される。今後も減販が定着することになると、販売戦略の見直しが求められる。
平成26年度~30年度の5年間の石油製品の全体の需要見通しは、年率1.7%減で全体では8.4%の減、ガソリンは年率で2%減、全体では9.5%減が見込まれている。ガソリンは25年度の5600万キロリットルが、30年度には5063万キロリットルへ約540万キロリットル減少するもので、年率は2%減のマイナス基調で推移することになっている。
しかし、今回の4月からの消費税の増税を機に、今後の国内景気に与える影響が注目される。政府の発表した経済成長率は26年度は1.4%を見込んでいる。増税による景気への影響を考慮して補正予算などで経済政策を打ち出しているが、その成果が出て景気が回復するのか否か、5月の経済指標が注目される。
5月の景気が回復するのか、消費税増税の影響が出ることで回復が遅れるのか、大きなヤマ場となる。景気回復が遅れるとなるとガソリンの減販に拍車がかかる。予想よりも大幅に落ち込むとなると、高度化法による設備処理の効果で需給タイトとなるというシナリオも崩れることになり、供給増となる心配も出てくる。
増税後の景気については、当分の間様子を見ることになるが、ガソリン販売は、これからの連休商戦の動向がポイントとなる。ガソリンは生活用の必需品であるため、消費税増税、仕切価格の値上げで高値となっても一気に大幅な減販とはならないとの楽観的な見方がある。160円相場に値上がりしたが、過去には185円(2008年夏)を経験している。だが、基調が減販傾向にあるため、販売業者がどこまで我慢できるのかも問題であり、厳しい状況が続くことになる。
景気が減速することになると減販が続くことになり、さらに今後もガス、電気への燃料転換が進むため、ガソリン、灯油のマス商品は節約によって減販が拡大することになる。国内需要を回復させる方策はなく、減販を製品輸出、石化へのシフトでカバーして需給調整を図っているが、減販が大幅となると、今後も供給増は続くことになる。