2014.05.02 のニュース
-石油小委備蓄政策を審議へ-需要側による「自衛的備蓄」の推進 LPG備蓄の見直しも
総合エネ調石油・天然ガス小委員会第3回会合は28日に開催され、石油とLPガスの緊急時供給体制等(主に備蓄政策)に係わる現状と課題を審議した。備蓄政策は、①新たに需要側における「自衛的備蓄」の推進、②アジア地域での共同備蓄を推進する、③国内需要の減少に伴い、LPGの国家・民間備蓄の義務量の検討(引き下げ)などが議論となった。需要側における「自衛的備蓄」については、災害時発生直後(3日程度)の道路などインフラ復旧が完了するまでの間は、社会インフラである医療、通信、金融機関などに加え、避難所となる施設や山間地等ではユーザーサイドで自衛的備蓄を保有すべきというもので、個人世帯レベルでの備蓄を促すものである。なお、高度化法の次期告示(案)は次回で検討することになった。
木村石連会長は①アジアでの共同備蓄を推進すべきである、②石油火力の発電用燃料を国家備蓄で実施すべきである、③国による製品備蓄を強化すべきである、④災害時直後では、供給面で混乱が生じるため、需要家による備蓄が重要である、と述べた。
備蓄政策について検討すべき課題としては、①「国家備蓄・民間備蓄・産油国共同備蓄」の役割分担、②内需減の中で維持すべき備蓄総量、平時からの燃料多様化策、危機時の代替調達・需給管理策等、③備蓄石油放出の機動力(「量」と「質」)の向上、④安全かつ効率的な国家備蓄石油の管理・運営、⑤需要側における「自衛的備蓄」の推進、⑥アジア・ワイドでの石油供給セキュリティの強化、などを議論することになった。
中でも備蓄総量や平時・危機時の対応策として検討すべき点としては、①内需が減少する日本にとって維持すべき石油備蓄の総量をどう考えるべきなのか、②将来的な備蓄の量的縮減の方向性をどう考えるのか、また備蓄石油と基地インフラをゆとり資産ととらえた場合の活用法など、様々な可能性を排除することなく検討することが重要ではないか、③さらに、平時からの燃料多様化や、危機時における代替調達先の確保や需給管理はどのように実施されるべきか、④価格高騰時に備蓄石油の放出を求める意見に対してどう考えるのか、など踏み込んだ議論が期待されている。
また、LPガス備蓄における検討すべき課題についても、国内需要量の減少に伴い国家備蓄量及び民間備蓄義務量につき検討する必要がある。