日刊ニュース

2014.05.08 のニュース

3月は仮需要マ大幅な増販も-5月以降はマージン確保を-

 石油統計速報によると、3月の燃料油販売は1786万キロリットルで前年同月比で4.8%の増となり、4ヵ月ぶりに前年を上回った。4月1日からの消費税増税を前に、仮需要が発生したためである。4月販売は、その反動で減販が見込まれ、相殺される。それにしてもガソリンは495万キロリットルで8.5%増、灯油は218万キロリットルで15.7%増、軽油は324万キロリットルで10.2%増、A重油は139万キロリットルで7.9%の増と軒並み増加となった。減少したのはC重油で4.4%のマイナスとなった。C重油は電力用が大幅に落ち込み、一般用も燃料転換が進んでいる。
 ガソリン、灯油、軽油が大幅な増加であり、消費税の3%増税による仮需要の大きさが目立った。ガソリンの場合は仮需要といっても、ユーザーは満タンにするしか方策がない。増税による値上がりを前にして、車の利用が増えたのか、その分析が行なわれている。仮需要に備えて、元売は3月末の休日にローリー輸送を実施した。石連週報(1週間)での月末の出荷(販売)は113万キロリットルと110万キロリットルを上回っており、流通(SS)在庫増にも繋がった。4月初めの1週間の出荷は80~90万キロリットルと大幅に減少しており、仮需要の反動が出た。
 ちなみに昨年3月の燃料油の販売は1709万キロリットルで前年比6.5%減、ガソリンは465万キロリットルで4.5%減、灯油は190万キロリットルで22%減と大幅な落ち込みとなったため、この3月はその反動に仮需要が加わり大幅な増販となった。
 4月の販売は、3月の増販の反動で大幅なマイナスとなるが、実需がどの程度の落ち込みとなるのか、とくにガソリンの場合は増税により160円相場となったため、ユーザーの節約の影響がどのように表れるか注目されるところである。販売の基調は減少が予想されており、5月以降の販売がどのように推移するのかが気になるところである。26年度のガソリンの販売は1.9%減、今後は年率で2%減が予想されている。
 新年度スタートの4月は、減販となるが、5月で需要が回復するかが焦点となるが、マイナス基調であるためプラスは見込めない。小幅な減少の範囲内にとどまればよいが、大幅な落ち込みとなると「設備処理により需給が締まる→業転市況が値上がりする→仕切価格との価格差が縮小→適正マージンが確保できる」というシナリオが崩れることになる。今後は減販を前提に販売戦略をたてるべきであり、増販を狙わずマージン確保を優先すべきである。
 3月は増販となったが、平成25年度の1年間でみると、燃料油販売は1億9352万キロリットルで2.1%減となっている。ガソリンは5542万キロリットルで1.4%減、灯油は1789万キロリットルで5.2%減、A重油は1344万キロリットルで2.3%減、C重油は21900万キロリットルで23%の大幅な減少となっている。増加したのはジェット燃料で27%増、軽油は3408万キロリットルで2%増となっている。この傾向は今後も続くことになる。
 輸出はガソリンが175万キロリットルで52%増、ジェット燃料は1046万キロリットルで15.6%増、軽油は1041万キロリットルで62.3%の大幅増となった。国内販売は減少したが輪出増のため、燃料油の生産は1億8849万キロリットルで1.7%増となった。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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