2014.05.12 のニュース
元売 マージン確保に取り組む 需給タイトで値取り狙う~3月期決算の不振を挽回へ~
元売の3月期決算の石油事業は厳しい結果となっているため、平成26年度で挽回を図る方向にある。そのためには、ガソリン需給適正化を図り、業転市況の値上がりを図りながら仕切価格の値取りに努め、マージン確保を狙う。定期修理と設備処理が重なって需給タイトが見込まれている。昨年度は夏ごろから需給が緩和したため業績が下落、その結果、仕切価格の値取りが不発に終わり、マージンが減少した。ガソリンの業転市況が原油CIF価格と同値となるなどマージンが悪化した。元売サイドも再三、値取りに取り組んだが
不発に終わり、そのまま下期に入り、さらに1~3月で業績が悪化したことになる。そのため4月以降の新年度入りで挽回を図ったが、消費税の増税と重なり、転嫁は難航したが、消費税の増税分はほぼ完全に転嫁した。
元売サイドの3月期決算は、市況低迷によるマージン減少で業績は悪化している。
石油事業では、在庫評価益が発生したため利益を計上しているが、在庫影響を除くと赤字となっている。その赤字を石油化学、石油開発の利益でカバーしている。
石油化学は海外市況が好調であったのと、石油開発は原油高(ドバイで105ドル/バーレル、ブレントが107ドル/バーレル)と円安(為替は102円/ドル程度)により、原油コスト増で利益を確保したことになる。前年に比べると原油価格は値下がりしたが、100ドルを超える高値であり、円安が好材料となった。
26年度の見通しは、製油所の設備処理と定期修理が重なることで需給タイトとなり、ガソリンの業転市況の値上がりに伴う仕切価格の値取りによるマージン確保を見込み、実質黒字を見込んでいる。
4月入りでの消費税の増税転嫁は、完全転嫁で乗り切ったが、4月の仕切価格は2~3円/リットルの値上げとなり、その転嫁が未達となった。それでも末端市況は連休商戦を小幅値上げで乗り切ったこともあり、若干、マージンは回復したようである。
問題は、今後の対応となるが、製油所の定期修理と設備処理とが重なって需給タイトが見込まれることから、これから原油コストが下がればマージン確保が期待できそうである。