日刊ニュース

2014.05.15 のニュース

収益3割減からの回復を期す

 週ごとの石連統計で、ダブル増税直後の4月第2週のガソリン出荷量は80万㌔㍑を割り込んだ。丸10年、過去524週間に及ぶ同統計の中で、ガソリン出荷の80万㌔㍑割れは過去に4週しか記録されていない。2008年の暫定税率の復活に伴う5月第2週、その直後の原油高騰に伴う高値の6月第1週、東日本大震災直後の経済停滞による11年4月第2週、そしてこの4月第1週だ。
 ガソリン内需が低迷した過去の3例の平均小売価格は、08年5月は130・6円から159・6円へ、6月も160・3円から171・9円へと大幅に値上がりし、いずれも価格の急上昇が原因であるのは明白だが、11年4月は151・8円のまま横ばいだった。これは大震災後に原発事故が重なったり、首都圏などで大規模停電が頻発したりし、いわゆる国内の社会全般・経済全般が氷結したことによる例外だろう。そしてこの4月は159円から164・1円へ、わずか5・1円高にとどまる。
 前週に膨らんだ数量の反動という側面もある。08年5月は前週が156万㌔㍑から65万㌔㍑へ、6月は123万㌔㍑から78万㌔㍑へ、11年4月は131万㌔㍑から73万㌔㍑へ。そしてこの4月は93万㌔㍑から78万㌔㍑だから、過去3例と比較して、反動という側面も極めて小さい。
 エネ庁の見通しでは、今年度内需は5488万㌔㍑となった。週平均では105万㌔㍑となる。繁忙期で週115万㌔㍑、閑散期では95万㌔㍑という世界の狭間。これが我々SSが有するガソリン内需の現状だと理解したい。それが年2%ずつ減少していく。
 平均的なSSでは、10円だったガソリン粗利が、4月中に9円に減少してしまった。13年4月のガソリン粗利は11円、一昨年の12年4月には13円あったという形跡が残る。前年比で2円=20%の粗利減少に8%の数量減少が加わって、SSのガソリン収益は前年比で3割近い減少が生じたしまった計算だ。
 大型連休明けの反動による数量不安、さらには仕切りの横ばいアナウンスが続くことによる小売安値への誘惑が強まっているが、そうした風を受け流して、収益面で多くを失っている地域SSは、1円ずつその失地を回復する道を歩みたい。元売子会社SSはその先陣を進んで、収益面においても元売本体の今期V字回復を下支えしたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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