2014.05.27 のニュース
軽シフト・低燃費化に順応を
軽自動車の快走が続いている。1~4月の軽乗用新車販売台数は前年比23%増。自工会は暦年ベースで13%減、消費増税前駆け込み需要の受注残が消化されるに連れて反動減に転じるなど、特に年後半の失速を予想していたが、自動車関係諸税を含めた諸経費やガソリンの高止まりで負担の増加を感じているユーザーが多いとの指摘を踏まえると、軽の人気ぶりは続きそうだ。自販連の2020年度保有見通しでも登録車が10~15%減少するのに対し、軽は13~19%増えると推計されている。
自工会の軽自動車使用実態調査によると、ここ2年間における新車購入者の26%が登録車から乗り換えた。軽を選ぶ理由は経済性7割、取り回しの良さなどが3割。世帯年収は400万円未満が4割を占める。ただし、平均購入価格は上昇基調が続き124万円に。「ランニングコスト重視」の意識がさらに強まっているようだ。最高燃費車のアルトエコは㍑35㌔に達し、HV最高アクアの37㌔に肉薄。軽の代表的な支持層は女性・高齢者・若者で、女性や高齢者にとってはまさに日常の「足」、若者にとってはクルマ生活へのエントリー車という色合いも濃く、燃費への関心はより高い。
しかし、例えばアルトエコの燃料タンク容量はなんと20㍑。実燃費25㌔と仮定してもタンク残量半分弱で給油すれば走行距離は300㌔程度となる。月間平均走行距離の488㌔から逆算すると月2回の給油が必要。ガソリン高が数量限定給油を助長していることも来店頻度という点ではプラスに働く。
国内自動車メーカー8社は先般、内燃機関技術研究組合を設立した。ガソリンエンジンの熱効率向上などを目的に基礎研究分野で協働し、燃費向上を加速させる。グローバル商品であるクルマは、「今後30年以上にわたり内燃エンジンが利用され続ける」と見ているからだ。HVもエンジンを搭載している。
一層の低燃費化が確実視される以上、ガソリンの適正利益確保は絶対不可欠。一般的な系列仕切りとほぼ等しいような小売価格が全国各地に蔓延するような状態は異常に過ぎる。ダブル増税で市況観がややぼやけてしまったが、直近のSSマージンは前年比で㍑7円程度もの激減状態。廉売の根源は露見している。総(代)会シーズン真っ只中。知恵を出し合い、クルマ社会を支え続ける心構えを行動で示したい。