2014.05.30 のニュース
SS、組合員の減少止まらず-市場正常化に期待も石商活動に支障-
東石商27日26年度通常総代会を開催し、「需要の減退、業転との価格差など不公平な商環境、それを起因とした行き過ぎた競争体質等の業界環境は変わらず、依然として、組合員、SSの減少が続き、厳しい状況が継続している。このような情勢を踏まえての自民党・流通議連の提案、エネ庁通達による価格差是正、市場適正化に向けた業界全体としての取り組みを期待する」との事業報告を承認した。
東石商の3月末のSS数は1000ヵ所を割り987ヵ所となり、年間では145ヵ所の減少、ピークの3500ヵ所からみると約2500ヵ所の大幅減となる。組合員は25年度中では加入が1社あったが、脱退が19社あり、相殺して18社が減少して609社となっている。今後も減少が見込まれることから石商活動の運営面で厳しい状況が続くことになる。全国各地の石商で総会が開催中であるが、同じように組合員、SSの減少が深刻となっている。
集大成の全石連総会は6月12日に郡山で開催となる。毎年、SS数、組合員の減少が指摘されるが対応策がなく、厳しい状態が続いている。3.11の東日本大震災を契機とした今回のエネルギー基本計画では「石油は重要なエネルギー源である」と位置付けされており。災害時には「SSは最後の砦である」と評価されているが、実態はSSの減少が加速して過疎化が進んでいる。
SS数は、ピーク時には全国で6万ヵ所あったが、現在では3万6000ヵ所となり2万4000ヵ所の減少となっている。今後も減少が続くため過疎化対策が課題となっているが、都市部でもSSの減少により、ガソリン、灯油など給油に支障が生じるケースが出ている。
このようにSSは減少下にあるが、その内訳をみると、元売販売子会社、商社系のシェアは買収などによって増加している。だが、一般の特約店(組合員)は大幅な減少をみせており、その格差は拡大する一方である。地域によっては地場の販売業者はなくなり、元売子会社、商社系のSSのみとなり、石商活動が機能しないケースも出ている。
ガソリンの需要は、今年も年率2%程度減少するとの見通しであり、その結果、SS数今後も減少が見込まれている。そのため、石商の予算規模の縮小、組織の再編などが余儀なくされている。一方では、災害時に備えての中核SSの設置、地方自治体との連携の強化、指定SS、備蓄の確保など、従来と違った幅広い活動が求められている。SSサイドでは災害の協力拠点として確約しているが、そのSSが経営難で廃業に追い込まれるケースも出ている。
SSの減少を食い止めるためには、ガソリン販売で適正マージンを確保することである。それには業転と系列仕切との価格差是正による市場の適正化が求められる。公平な取引を狙い議員立法の動きもあるが、法律を策定するのは調整に時間がかかるため間に合わない。まずは、元売が打ち出す、6月からの新体系による対応に期待がかかっている。今までの業転連動からコスト(原油価格)連動に変更するもので、元売も3月期決算の赤字からの脱却を狙っており、マージン確保を重視するため、販売業者にもマージンが確保されると期待されている。