日刊ニュース

2014.06.04 のニュース

新体系移行も直前値下げ ユーザー転嫁は様子待ち~改定日の変更も影響か~

仕切価格は、6月からコスト連動方式による新体系へと移行した。JX、出光はガソリンの仕切価格を1円80銭/リットルの値上げとし、他社も値上がりとなったことから、販売業者もユーザー転嫁に取り組むことになる。だが、JXが5月末で大幅な3円80銭の遡及値下げを実施しため、ユーザー転嫁の動きは遅れそうである。さらに仕切価格の改定日が、JXは木曜日(5月までは土曜日)と変更となったこともあり、ユーザー転嫁の対応もバラツキが生じてきた。そのため、当面は様子待ちとなり、次回の方針をみてからの対応となる。また、石油情報センターの調査価格の全国平均(25日)は、165円80銭/リットルで前週に比べ20銭の値上がりとなり、四捨五入で166円となったが、東京、神奈川などは小幅な値下がりとなるなど、ここにきて中だるみ状況となっているため、新体系への移行に伴う相場づくりは今週末頃となりそうである。
 6月から仕切価格の改定は市況(業転)連動からコスト(原油価格)連動に変更された。今までの市況連動は業転を指標としているため、供給増となり、需給バランスが崩れると業転が急落することになり、これに仕切価格が連動して値下がりしたため元売の3月期は赤字となった。最低でもコスト(原油価格プラス経費)分を回収することでコスト割れを解消、赤字をなくそうとコスト連動に変更することになった。
 しかし、コスト連動方式も業転との価格差が拡大すれば通用しなくなるため、需給をタイトにして業転市況の値下がりを防止することがポイントとなる。
 結果的には、スタート時のガソリンの仕切価格は2円程度の値上がりとなり、その後はコスト(原油価格)の変動幅に応じて仕切価格を毎週改定することになる。今後のコスト構成が問題となるが、原油価格、ブランド料(販売管理費)、運賃、ボリュームディスカウントなどが積み上げられる。その内容については元売と販売業者間で調整が行なわれるが、新体系に移行した場合のブランド料もこれまでと同程度になるのかは今後の課題となる。
 一方、仕切価格の改定日はJXが木曜日、出光、昭和シェルが水曜日、EMG・コスモが火曜日になるなどバラツキが生じるため、販売業者のユーザー転嫁は、各社の方針が出るのを待つと金曜日以降となりそうである。
 今までは土曜日に仕切価格が改定、ユーザー転嫁は土、日曜日は避けて月、火曜日以降としていたが、今後は仕切改定日とユーザー転嫁日とが近くなるものとみられる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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