2014.06.04 のニュース
新体系移行後も当面は様子待ち-直前の大幅値下げに戸惑い-
6月からコスト(原油価格)変動方式による仕切価格の改定が行なわれた。新体系となるが、JXは1日から4日までガソリンが1円80銭/リットル、灯油が2円20銭、軽油が1円90銭の各値上げ。出光は5月31日から4日までガソリンが1円80銭、灯油が1円の各値上げ、軽油は据え置きとなった。
だが、JXは5月24日~31日分の仕切価格をガソリンで3円80銭、灯油は4円90銭、軽油は3円90銭の各値下げを実施しており、コスト変動方式に移行する前に、市況(業転)連動からコスト変動への移行を機に、値戻し値下げが行なわれた。約1週間分であるが大幅値下げとなった。
市況変動方式が終了する直前で高値分を事後調整したことになるが、この1週間分に限って遡及して値下げしており、他社がどう対応するのか、今後の対応が注目される。新体系への移行を前にしての、この大幅値下げを巡っては、販売業者間では単に仕切価格の値下げとみるのか、スタート時の調整とみるのか、受け止め方も違い、市況対策にも影響しそうである。そのためか、当面は様子待ちとの見方も出ている。
6月からのコスト連動方式(新体系)への移行に伴い、JXは1日からガソリンを1円80銭値上げとしたが、他社は31日からの値上げとなっており、新体系での対応となると次の方針を見定めることが必要となる。
6月にかけては値上げとなり、本来ならばガソリンのユーザー転嫁に取り組むことになるが、JXでは、5月末で3円80銭を値下げしているため、販売業者間では、戸惑いもあり、6月から直ちにユーザー転嫁するのではなく様子をみる動きもある。
新体系では、仕切価格は値上げとなったため、まず安値物の底上げに取り組むことになるが、発射台は値上げとなったがその直前で値下げとなっているため、他社系列の販売業者は戸惑いをみせており、各元売の今後の出方をみることになる。JX系の販売業者は、新体系へ移行する直前の仕切価格の値下げでコスト安となることは歓迎するが、他元売の動きを見定めるところもあり、当面は様子みて対応することになりそうである。
JXの5月末の仕切価格の値下げは、仕切価格が割高となったことでの調整であるが、この調整値下げを販売業者がどう受け止めるのかも気になるところである。新体系のコスト連動方式導入を機に、仕切価格を調整(値下げ)することが伝えられていたが、新体系での値上がり分の調整という意味合いがあるものか、事後調整が復活したのではないかとの憶測も出ている。
JXは、先行して仕切価格の値上げを実施したが、他社が追随しないとみて値下げして調整したり、週中での価格改定を実施するなど、小幅な調整は実施している。しかし、今回は大幅な値下げ調整であるため販売業者も戸惑いをみせている。これまでの仕切値上げで他社に比べて大幅な高値となっており、これを調整したことになる。
遡及値下げによりコスト安となるため、SSの経営面からみれば支援策となるが、そのまま運転資金として活用できる支援策と見るか、今後の仕切価格の値上げ分をカバーするための調整財源とみるか、受け止め方も違ってくる。