2014.06.09 のニュース
新体系と業転との格差見定め-来週から市況対策に取り組む-
6月から仕切価格の改定方式は新体系に移行した。ガソリンは1日からJX、出光が1円80銭/リットル値上げとなり、次回(5~6日から)の価格改定日を待ったが、据え置きとなったため、販売業者サイドでは約2円値上げとみて、来週から相場づくりに取り組むことになる。
新体系に伴うコスト積み上げによる仕切価格の発射台は、業転市況も値上がりしているが、1円80銭の値上げで設定されたことになる。販売業者サイドでは当初、2~3円以上の値上げとの予測もあったが、今回の仕切価格を許容範囲と受け止めている。予想としては、新体系のスタート時に、①コスト変動を名目に一気に値上げする、②スタートは据え置きで徐々に値上げする、③ここにきて元売もマージンは改善されているため様子をみるのではないかなど、多くの憶測が出ていた。
また、新体系への移行を機に、価格の改定実施日を、土曜日(金曜日に通告)からJXが木曜日、出光が水曜日に変更したため、6月の第1週は1日から4~5日までの短期間と変則的になり、その後は、従来通りの1週間単位での値決めとなる。
しかし、JXが新体系実施に際して5月末で1週間分を3円80銭値下げして調整したことから、販売業者間で戸惑いがみられた。値上げ時期に値下げすることで、混乱を招くことになったが、高値となった仕切価格を新体系移行を機に調整したものである。新体系のスタート時には、ここは過去を清算して再発足させることが得策であるとの見方もあり、意見は分かれるところである。今後は調整しないとしているが、コスト(原油)連動の体系は、以前の月決め方式で実施しており、仕切価格の
事後調整があったとされ、調整含みを予測する見方も出ている。
今後は、原油価格の変動分が、即仕切価格の値上げ、値下げに反映されることになる。また、新体系での仕切価格と業転市況との価格差が、どの程度の範囲で推移するのか注目される。販売業者は状況を見定め市況対策に取り組むことになる。それでも仕切価格が値上がりとなったため、来週あたりから市況対策に取り組むが、元売販売子会社、HC、量販店の動向をみる構えにある。新体系によって業転市況との価格差が縮小されたか否かがポイントとなるが、業転市況は値上がりしており、安値は160円割れとなるものの底値は156円以上と値上がり傾向となっている。元売も新体系を浸透させるため、業転市況の値上がりを狙って需給をタイトにしている。
今後は、元売がコスト(原油価格)の変動をみて対応することになるが、原油価格、為替、海外の製品市況を、指標としてどの程度活用するかを見定めることも重要となる。原油価格の変動となると、先物市場で把握されるため公正な判断がつく。これに為替を換算すれば、相場は想定できるため、仕切価格の変動は今までの業転連動よりは明解となる。業転市況は不透明なケースもあり、業転に連動することで不利益となったため、今回、変更したことになる。
原油価格の場合は、地政学的リスクで大きく乱高下するが、先物市場が開設されており、常に価格変動を把握することが可能であり、透明性が確保されているため、原油価格の連動方式を選択したことになる。