日刊ニュース

2014.06.19 のニュース

原油高騰で状況急変 仕切価格は値上げへ~先物、業転も値上がり~

原油価格はWTIが106.9ドル/バーレル、ブレントが113ドル、ドバイが109ドルへと値上がりした。イラク情勢が緊迫化したことによるもので前週初めに比べると3~4ドルの高騰である。一方、東商取の先物も原油が69円/リットル、ガソリンが86円、灯油が81円となり、前週に比べると2円程度の値上がりとなっている。業転も値上がりしてきており、状況が急変してきた。イラク情勢の緊迫は部族間の対立で、原油生産地区でないため直接影響することはないが、原油価格は高騰してきた。今後の見通しは難しいが、ウクライナとロシアの対立などを含めて流動的となり、アメリカの経済指標、在庫数量などが絡んでくる。原油コスト連動方式での新体系へ移行しており、仕切価格は値上げの方向となってきた。
 原油価格は高騰してきたため、仕切価格は値上げの方向となってきた。原油コスト連動となっているため値上げとなるが、ガソリン価格は石油情報センター調査では167円/リットルの高値となっており、さらに値上げとなると170円に迫ってきており、節約による減販が心配されている。
 最高値となった08年8月の185円に近づくことになる。高値は経験済みであるが、その後のリーマンショックで急落したこともあり、乱高下によって販売業者も混乱した。当時のように急騰することはないが、徐々ではあるが値上がり基調となってきたため、160円台の高値による減販は大幅となりそうである。
 ガソリン市況の実勢は安値(セルフ)は160円割れ、街道沿いのボトム価格は160円台に乗っている
が、目標の166円は厳しい状況にある。最近の原油価格の値上がりは、原油の供給不足によって需給が逼迫するものではなく、先物市場などの思惑が先行するため、徐々に値上がりしている。
 武力衝突など実感が伴わないところで値上がりとなるため、ユーザー転嫁は難しくなる。販売業者には減販と値上げという二重苦となりそうであり、ユーザー転嫁は厳しくなってくる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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