日刊ニュース

2014.06.25 のニュース

ガソリン 170円相場へ 原油値上がり続く~安値160円割れは減少~

原油価格の高騰でガソリンの末端市況は170円/リットル相場となりそうである。WTIは107ドル/バーレル、ドバイは110ドルヘと値上がりしており、石油情報センターの調査価格(16日)も平均で167円/リットルとなり、8週連続の値上がりとなっている。すでに九州地区では170円台に乗せている。関東地区も長野は170円、東京は169円、神奈川も166円へと値上がりしている。隣接の千葉、埼玉は163円で価格差が生じているが、小幅な値上がりが続いている。首都圏の街道沿いSSでは166円を目安としているが、中心値は162~163円、安値のセルフは160円割れも散見するが、原油高騰から値上がりムードが出てきた。業転市況も値上がりしていることから安値の160円割れも減少しており、安値も底上げとなってきた。今週も仕切価格の値上がりが見込まれるため、街道沿いではボトム価格は170円相場に近づくものとみられる。今後の原油価格はイラク情勢次第となるが、内戦状態が続けば、さらに値上がりが見込まれる。
 イラクの政情不安によって原油価格が高騰している。アメリカは過激派による戦闘攻撃への対応として、イラク政府に対して軍事支援部隊を派遣する計画を伝えている。このまま戦闘がエスカレートすれば、原油価格がさらに値上がりすることも予想される。
 元売は、原油価格が値上がりすれば即、仕切価格を値上げする原油コスト連動方式を6月から導入した。今までの市況連動方式のように業転の値上がりを待って仕切価格を値上げする方針から、原油の動向をみて元売が主導権を持って仕切価格の値上げを打ち出すことになった。足元の原油価格の値上がりをみて即、仕切価格の値上げを実施となる。そのため値上げ幅も明確となり、ユーザーへの説明が容易となった。
 前週はガソリンの仕切価格を1円~1円20銭の値上げを実施しており、今週も連続値上げが見込まれている。前週は販売業者はユーザー転嫁を見送ったが、今週は本格的に取り組むことになる。原油コスト連動方式での初のユーザー転嫁となり、成果が問われる試金石となる。
 足元のイラク情勢による原油価格の値上げとなると、ユーザーにも説明がつく状況にある。今までの市況(業転)連動方式では、指標となる業転市況そのものが不透明であるのと、業転市況の値上がりを待って仕切価格を値上げするとなると、原油価格の変動との間の時間的なズレが生じるため、ユーザーの理解を得ることが難しく、価格への転嫁は難航した。また、原油価格が値上がりしても国内の需給が緩和していると、業転市況は逆に値下がりするケースもあった。
 今回は原油価格の変動に連動することになったため、原油代というコスト増加分は回収できる体系になる。だが、仕切価格を値上げしても業転市況が値上がりしなければ、価格差問題として販売業者からは仕切価格の値下げ要求が出るため、仕切価格の値上がりに連動して業転市況が値上がりすることが求められる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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