2014.06.26 のニュース
石油小委 備蓄政策で方向示す 産油国との共同備蓄推進~LPG民間備蓄は軽減見通し~
総合エネ調石油・天然ガス小委員会(第6回)は、23日に経産省で開催され、石油・LPガスの緊急時供給体制(備蓄政策)等に係わる課題への対応、報告書に盛り込むべきポイントについて審議した。石油備蓄については、国内石油製品需要は2018年度までに8.4%減少の見込みであり、現在の国家備蓄量(原油4911万キロリットル、製品130万キロリットル)を維持し続けた場合、需要減に伴い日数カウントが上昇し、2018年度には100日分近く(約98日分)にまで達する。現在、「国家備蓄」「民間備蓄」を合計して162日分を有している。IEAが求める90日分義務を超え、IEA加盟の純輸入国の平均(140日分)を上回る水準を確保している。そのため「国家備蓄」と「産油国共同備蓄(貸与タンク容量の1/2相当量)の合計でIEA義務日数(90日分)程度の備蓄を確保する。「国家備蓄」の今後5年間の目標は、原油と石油製品を合わせた、現状の国家備蓄量を当面の数値目標として設定。「産油国共同備蓄」についても、UAE及びサウジアラビア向けの貸与タンク容量の1/2相当量を「参考目標」として設定する、との方向を示した。LPGの民間備蓄については、民間備蓄義務日数の見直しを検討する余地が生まれる可能性がある、としている。
報告書に織り込むポイントとしては、エネルギー供給を担う産業の事業基盤の再構築では、まず、国際競争力強化と総合エネルギー企業化を目指していくには、次の点が必須事項となる。①製油所の設備最適化、事業再編、コンビナート統合(産業競争力強化法、エネルギー供給構造高度化法告示)②総合エネルギー企業化(電カ・ガスシステム改革等も踏まえた事業参入)③海外事業展開(アジアでのエネルギー需要拡大を捉えたビジネス展開)④こうした取組の前提となる技術開発・保安対策・人材育成⑤LPガス元売事業者の連携等による調達力強化(元売合併や連携等によるバーゲニングパワー強化)⑥天然ガスのユーティリティ企業を含む事業者間の包括的アライアンスによる共同事業、調達力強化(商社、資源開発企業のみならずユーティリティ企業も含む共同調達によるバーゲニングパワー強化)
また、全石連が要望している公正・透明な市場形成については、次の点があげられる。①石油流通構造の透明化と公正な取引条件の設定(流通証明書、仕切価格と価格指標の検討)②品質確保に向けた取組(バイオ燃料の品質確保制度に関する検証・確認)③LPガスの流通合理化と価格の透明化の促進(LPガス充填施設の合理化、企業の価格体系の公表、消費者の情報アクセス環境の改善)
なお、報告書の取りまとめを踏まえ、制度・予算等を総動員して着実に資源・燃料政策を実施していくことになる。