日刊ニュース

2014.07.14 のニュース

エネ研下半期原油価格見通し ブレンド110ドル ドバイ108ドル WTI105ドル~米国の原油輸出動向に注目~

日本エネルギー経済研究所は、「石油、天然ガス、石炭の短期需給と価格動向」を発表した。原油価格の展望としては、2015年にかけての国際原油価格は、2014年の下半期(7~12月)で、ブレント原油で110ドル/バーレルが、ドバイ原油で108ドル/バーレル、WTIで105ドル/バーレル、2015年の通年は、ブレント原油で105ドル/バーレル、ドバイ原油で103ドル/バーレル、WTI原油で100ドル/バーレルと予想している。1~6月ではブレント原油が108ドル、ドバイ原油が105ドル、WTI原油が100ドルとなっている。なお、米国からの石油輸出は、米国商務省の許可の下での原油輸出も急増しており、4月には26万バーレル/日を超え、15年ぶりの高水準に到達した。2014年6月には、簡易的な処理を行なったコンデンセートにも米国商務省から実質的な輸出許可が与えられ、今後アジア市場にも米国からのコンデンセートが流入してくることが予想される。量的にはまだ限られた規模ではあるが、今後の輸出動向が注目される。
 2013年の日本のLNG輸入価格は平均で16.1ドル/100万BTU(MMBtu)であったが、変動幅はおよそ15~17ドル/MMBtuの推移となった。輸入総量は微増にとどまったが、円安によって邦貨換算のLNG輸入額は前年比で18%(1兆551億円)増加した。これはマク口経済や国富流出の観点から深刻な問題である。
 日本の平均LNG輸入価格は、原油価格(2014年110ドル/バーレル、2015年105ドル/バーレル)連動が引き続き主流であることを前提とし、日本の平均LNG輸入価格は2014年16ドル/MMBtu前後、2015年15ドル/MMBtu前後と予洲する。原油連動価格における目下最大のリスク要因であるイラク情勢が注目される。なお、スポットLNG価格については、世界全体では短期的に十分な供給が見込めることから原油連動による長期契約価格よりも弱含むと想定する。
 米国のヘンリーハブ価格は、2015年にかけて4~5ドル/MMBtu程度の安値圏を維持すると予測する。イギリスのNBP価格は、足元では2010年以来となる安値にあるが、冬の需要期には若干値を戻す可能性がある。欧米市場の需給が比較的軟調に推移し、かつ原油価格が高値を維持するという見通しのなかでは、2015年にかけても、日本を含むアジア向けLNG価格の割高(プレミアム)問題は課題として残り続ける。プレミアムの解消には、アジア市場の価格形成の合理化とLNG取引の流動性向上が必要であり、継続的な取組みが求められる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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