2014.07.30 のニュース
ガソリン 夏場商戦で増販期待 仕切値下げも市況維持へ~業転玉の出回りは減少~
ガソリンは、夏休み商戦に入り、連日の猛暑で増販が期待されている。末端市況は、石油情報センター調査(22日)によると、平均で169円80銭/リットルで前週比では10銭の小幅な値下がりとなった。統計上では20週ぶりの値下がりとなり、横ばいの期間と消費税の増税(約5円値上げ)を含め、小幅な値上がりが続いたことになる。その結果、170円相場となり、08年8月の185円の最高値に近づいているが、ここにきて仕切価格は2週連続の値下がりとなり、このまま市況が維持できるか否かの正念場を迎えている。しかし、ガソリン在庫は170万キロリットル割れの低位にあり、需給も締まっているため市況は崩れることなく維持されている。安値のセルフは159~160円/リットルも散見するが、街道沿いでは165~169円を維持している。だが、夏場商戦の山場に入ったため増販期待から価格競争の展開が心配されており予断は許さない。仕切価格は値下げ局面であるが、元売も業転玉の出回りを抑えており、販売業者も末端市況維持に努める方向にある。
仕切価格は値下がり局面となっており、2週連続で累計2円/リットル程度の値下がりとなった。4月以降、消費税の増税もあり連続して仕切価格の値上げとなったが、販売業者サイドではユーザー転嫁が遅れており、未達を残しているため厳しい経営が続いている。
今回、仕切価格が値下げとなったことで、ここで市況が維持できればマージンが確保できて一息つくところとなる。そのため仕切価格が値下げとなっても値下げせずに様子をみるSSも多い。しかし、仕切価格が値下げとなると先取りしてさらに値下げするケースも予想されるため、今週の値動きが注目されるところである。
今後の原油価格の動向にもよるが、設備処理を終えたのと、定期修理が重なったため需給はタイトになっており、在庫が低位であるため、需給状況は安定している。業転玉の出回りが減少しており、業転も堅調で推移している。
元売サイドも、原油コスト連動の新体系に移行した直後であり、完全値取りで対応することになっている。業転市況と系列仕切価格との価格差縮小を前提に、事後調整廃止の継続を強調して、新体系の定着を狙っている。さらに、高度化法に基づく、設備処理計画産業競争力強化法の事業再編方針の提出もあり、足元の経営改善も求められていることから、需給緩和を避け、需給の安定化に取り組むことで安定経営を目指すことになる。