日刊ニュース

2014.07.30 のニュース

再投資可能な導一マージンの確保-今後は実現に向けての議論の場を-

 総合資源エネルギー調査会石油・天然ガス小委の中間報告がまとまった。うち石油販売業の課題、今後の対応策については、全石連の要望が採り入れられている。河本・専務理事は「1日に4SSが減少する厳しい状況は続いているが、再投資可能な適正マージン確保のための取組みを行なうことが受け入れられており、厳しい現実が認識され感謝したい。今後は実現に向けて研究会などを設置して議論を進めて欲しい」と要望している。
 報告書では、石油販売業者を「サプライチェーンの最前線で石油製品の供給を担い、安定供給に大きな役割を果たしている」と位置づけているが、一方では「減販、収益悪化とコスト増で経営環境は悪化しており、SSも6万ヵ所から約3万5000ヵ所に減少している」と、厳しい現状を分析している。
 また、「国内需要の減少が見込まれる中で、安定供給の重要な役割を担う石油企業が事業を継続していくためには、単に販売数量の拡大を目指して価恒心争を行なうのではなく、健全な競争の枠組みの下で、多様なビジネスモデルが競い合いつつ、適正マージンを確保して産業全体としての収益性を維持・向上させて必要な再投資を行なうことが求められる」と「適正マージン確保」の重要性を指摘している。
 全石連では、「生き残るための必要最小限の利益が必要である」と、厳しい経営環境を前回の審議会で訴えていたもので、①需要は減少しているにもかかわらず元売の量販志向、販売数量や特典カード発券増加の政策の改善、②前年実績主義の政策を改めて、増販でなく、利益を出したSSを表彰するよう改めるべき、などを要望していたものである。その回答として「適正マージンの確
保」が採り入れられたことになる。その結果「主休的な経営判断により、適正マージン確保のための様な取組みを行なうことが求められる」との文言が入った。
 公正・透明な市場形成については「系列・非系列の価卸格の格差、卸価格や販売関連コスト(ブランド料など)に関する算出根拠が不透明なことで改善を求める声が上がっている。さらに、元売販売子会社の存在感が増し、系列内の競争が厳しくなっているとの指摘もある。こうした状況を改善するには取引の透明性の向上、元売・販売業者の連携・協力が必要である。導入されている流通証明書も非系列取引の透明性の向上を図ることが可能なことから普及の状況や効果の検証、見直しを行なう」ことも指摘している。
 仕切価格の決定方式の変更では「販売業者と認識の共有や予見可能性の確保(事後調整が行なわれないような基準価格の設定)が求められる」、今後の課題としては「元売・販売業者がコミュニケーションを密に連携・協力し継続的な取組みが求められている」としている。
 現在、元売と全石連は、エネ庁、公取委との立会いで協議会を開催して、流通問題全般を議論しているが、この協議会の継続開催、さらには、中間報告を議論する場(研究会など)の設置を要請している。
 適正マージンを巡っては、業転と仕切価格との価格差問題など、調整は難航しているが、新しい秩序が形成されることが期待されている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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