日刊ニュース

2014.08.04 のニュース

設備処理と事業再編へ 誘導スピード感を持った判断を促す

 石油業界は、エネルギー高度化法によるトッパーの廃棄、能力削減と、産業競争力強化法では、供給過剰状態が指摘され、事業再犯を促すことで国際競争力の強化が求められている。自由化の流れにあるが、一方では、法律によって設備処理と競争力の強化が求められ、法規制がされていることになる。競争力強化法で後押しされるが、業界としては、あくまでも各社の判断で実施すべきとしている。
 需要が減少する状況が今後も続くことから、再度、設備処理と事業再編を進めることになり、石油各社にとっては厳しい決断が求められることになる。最終的には、海外での石油開発、石油化学、潤滑油などの事業展開、国内の電気・ガス事業の充実による「総合エネルギー企業(長期戦略)」を目指すことが課題とされている。
 総合エネ調石油・天然ガス小委の中間報告の最後に「国内需要は減少するため、国内での過当競争が進めば利益も生まれず、厳しい状況が続くことになる。その打開策としては、国際競争力をつけ、また、個々の事業者でなく、事業者間の連携による取り組みを、スピード感を持った経営判断で行なう。自社の個性を生かした長期戦略を模索し、飛躍を果たしていくチャンスが訪れている」とコメントしている。事業者が自らの判断で長期戦略を実施すべきとしているが、政府としては「あらゆる政策手段を動員して環境整備を行なうことにより、スピーディーな対応を促していく」と強調している。
 第1次高度化法では、トッパーは395万バーレル/日に削減され、稼働率も引き上げられ、業転玉の出回りも減少したこともあり、需給が締まり、値取りが容易な市場環境が形成されそうな状況となってきた。しかし、今後も国内需要は年率2%減が続くことから、第2次高度化法では、3年後に40万バーレル/日が削減となる。需要減少は、予測を上回るとの見方もあり、引き続き設備が過剰となる。だが、設備廃棄では対応が難しい会社もあることから、公称能力の削減(減産対応)を認めることになった。個別企業ごとの配慮は行なわれるが、確実に設備能力は削減する。需要減を設備の削減が追いかけることになるが、いつまで需要減が続くか、その見通しは分らない。石油は今後もエネルギーの太宗を占めるため、その役割は変わらない。新規需要の開拓、製品輸出に期待することになるが、輸出も海外市況と製油所の国際競争力が影響することになる。
 新しく事業再編が競争力強化法の枠組みの中でも捉えられることになった。第50条による市場構造調査で、「現在の精製能力が維持されると、再び過剰能力の状態になる」と判定され、その改善策として、精製能力を少しずつ落とすのではなく、コンビナート、製油所同士の大胆な統合・一体運営など、様々な事業再編を進める必要があるとしている。
 今年度予算でも、新規で「地域・資本の壁を超えた設備の強化策」を支援する枠組みを計上している。モデルは、コスモ・千葉と極東の合同会社の設立があげられる。事業再編となると、最終的には企業の合併、統合となるが、当初は緩やかな業務提携が想定される。競争力の強化を狙った製油所の統合運営など予測しているようだが、次の事業再編がどのようにでてくるか注目される

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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