2014.08.18 のニュース
値下げを誘導する報道に反発-市況維持で未達分回収の時期-
石油情報センター調査(11日)によるガソリン価格は、平均で169円20銭/リットルで前週に比べ20銭の値下がり、4週間では通算70銭の値下がりとなった。四捨五入では170円相場から169円と1円の値下がりとなったが、依然として高値水準である。
ガソリン価格の動向が関心事となっているため、僅か20銭の値下がりをTV、新聞のマスコミが大々的に報道している。「原油価格の下落に伴い、ガソリンが値下がり傾向にある」と解説しているが、次回(来週)の調査でも値下がりを示唆している。元売の仕切価格改定でも、今週からは50~70銭の値下がりを通告しているため、末端市況は値下がりも予想されるが、販売業者サイドでは「僅か20銭の値下がりであり、大々的に伝えることで、さらに値下がりを誘導することになる」と反発が出ている。だが、マスコミ対応となると調整の場がなく苦慮している。
一方では「高値により、節約が浸透しているが、値下がりにより需要の回復が期待できる」などの違った受け止め方もある。「あくまでも現金価格という統計上の数字であり、実勢の表示価格と比べると2~3円は高値となっている。そのため上げ、下げを一喜一憂すべきでない」との冷静な見方もあり、まちまちである。ただ、マスコミでの扱いが大きいと影響も無視できない状況にある。
石油業界では、情報センターの調査価格を相場、指標として活用しており容認している。これに代わる調査価格は総務省で実施しているが、月ペースであり速報性に欠く。週単位で実施しているのは、この調査しかなく、エネ庁が石油情報センターに委託調査しているもので信頼度も高い。そのため販売業者サイドは、調査価格の動向をみながら市況対策に取り組んでいる。仕切価格の改定実施日が火~木曜日となっており、この調査は月曜日に実施、水曜日に発表されるため、この調査価格を末端市況の仕上がりとして参考にしている。
7月は平均で170円相場であったが、8月で1円値下がりして169円となっているもの。仕切価格は7月から2円50銭の値下がりとなっているため、市況を維持したことになる。しかし、4月の消費税の増税(5円)以降、仕切価格は連続して値上げされており、最終的には末端市況は170円相場となったが、未達分を残して値下がり局面に入ったことになる。3月末の調査価格は159円であったが、4月1日の特別調査では164円で消費税の増税分の5円は値上がりした。その後は仕切価格の値上がりが続き、7月で170円となり6円の値上がりとなった。一方、仕切価格は4~7月の加重平均を加算すると8円強となり、2円か未達となり、販売業者がかぶったことになる。その未達分を、現在、市況を維持して回収している時期にある。
仕切価格は値下がりとなったが、当分の間は、市況を維持してマージンを確保することになる。今が「マージンを確保する」その時期にあり、どこまで我慢できるかがポイントとなる。現在、8月商戦のヤマ場であり、市況維持でマージンを確保しているが、増販を狙うと値下げするSSも出てくるため、これからが正念場となる。