日刊ニュース

2014.08.22 のニュース

原発は地元の協力を得る エネルギーミックス 現実的にバランスを保つ

 総合資源エネルギー調査会基本政策分科会は19日に開催された。エネルギー基本計画案を審議して答申、4月11日に閣議決定されたが、その後、初めての会合となった。新分科会長に坂根正弘・小松製作所相談役(前経団連副会長)が就任後の初会合となり、茂木経済大臣が出席した。
 エネルギー基本計画策定後も下部組織の各小委(新エネ、原子力、資源・燃料、省エネ、技術開発)が開催され、その後の専門分野での検討状況の報告が行なわれ、各委員との意見が交換された。各委員会との調整を図るため、今後も定期的に分科会を開催することになる。
 冒頭、茂木大臣との意見交換が行なわれたが、委員からは、未決となっているエネルギーミックス(電源構成など)、原発の再稼働問題などについての質問が出た。
 原発再稼働問題について茂木大臣は「原発は、エネルギー基本計画でも重要なベースロード電源と位置付けられている。現在、20基が新規制基準への適合確認のため、原子力規制委員会に申請されている。安全性を全てに優先させて、世界で最も厳しい基準に適合すると認められた場合は、再稼働を進める方針である。その際にも、個別(審査書案了承の九電、川内)の原発などについては、地元関係者との意見をよく聞いて対応する」と述べ、政府の方針を丁寧に説明した。
 原発依存度の低下については「廃炉問題、技術・人材の維持などの問題もある。安定供給を優先し、コストが安く、環境負荷が低く、CO2が少なく、安全性が高い、というエネルギーはなく、現実的に、エネルギー間のバランスをどう保つかにある」と付け加えた。
 原発の技術開発については「トルコ、ウクライナを訪問したが、エネルギーの安全保障が問題となっている。中東が不安定であり、化石燃料からの脱却が重要であるとの認識が高い。原発に限らず技術開発が重要であり、日米の枠組みのなかで推進すべきである。また、技術開発では日本がリーダーの役割を果たすべきであり、海外で協力強化を求めるには高い技術を持つことが不可決である」と強調した。
 エネルギーミックスについては「原発の再稼働問題とも絡むが、2~3年も先に決めるのではない。来年にもCOPが開催されるため、それまでには決めることになる」と語った。
 また、石油・天然ガス小委の検討状況については、住田・資源燃料部長が、中間報告の課題である①海外からのエネルギー資源供給不確実性への対応、②災害時のエネルギー需給体制の構築(国備による製品備蓄の強化、中核SSの強靭化)、③エネルギー供給を担う産業の事業基盤の再構築(精製業の事業再編、適正マージンの確保、公正かつ透明な市場形成)などの取り組みを説明した。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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