日刊ニュース

2014.09.04 のニュース

脱「消耗戦」と需要開拓努力

 今年の旧盆商戦は残念ながら振るわなかった。特に西日本からは厳しい声が多く寄せられた。一大需要期と位置づける8月の販売不振は悪天候に影響されたこともあろうが、「社会構造的な需要減という商環境に置かれている」現実を直視した経営体制の構築へと舵を切る重要性を改めて浮き彫りにした。
 もちろん、大半の中小SSはいち早く方向転換に努めてきた。既存顧客とのつながりをベースに、自社の運営スタイルを一層特徴づけ、燃料油の適正マージンと油外収益、その他事業部門とのバランスを取りながら、生業を守り抜いている。しかし、やむなく石油販売業から撤退した地場業者も大勢おられた。理由は様々だが、利益が減り、将来の展望を見い出せなくなったことが最大要因であろう。
 全体需要が右肩下がりの局面にある昨今、だれかが手っ取り早く量を追えば市況が下がる。次週の仕入れコストを見越し、我先にと価格を下げることまでする。しかし、競合店も追随するから、量は増えない。マージンだけが下がる。こうした中、週末値引きなどの定例セール増加を指摘する声も増えてきた。マージンを一時的に極小化し競合店を一歩でも出し抜こうとの企図だろうが、これも藪蛇となって、恒常的な廉売に陥る“負の連鎖”にはまり込んだように映る。
 果たして、そこに勝者はいるのか。参戦しているSSの多くも、実は困惑、困窮してはいまいか。量販競争における絶対的な力。だれが最も強そうかは想像がつく。SSの勝ち残り∥当該事業者の存続と完全に一致するのか。販売業界が闇雲に過当競争に巻き込まれるだけで良いはずがない。
 クルマの動力源が一層の多様化に向かっている。当面はガソリン主流が続くものの、燃費は一層向上する。8月の旧盆商戦は空振りだったが、今月はシルバーウィークが控えている。いまこそ、既存需要を奪い合う消耗戦と決別し、過当競争とは一線を画す新たな需要づくりにも取り組みたい。
 例えばJAFは、46都道府県の227市町村と連携し、「ドライブ旅行の促進」を後押ししているそうだ。地域交流が活性化すれば、経済効果は関係事業者に波及してくる。クルマの利用機会を少しでも増やす。我が業界も一致結束して考えてみてはどうか。

提供元:全国石油商業組合連合会
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