日刊ニュース

2014.10.16 のニュース

原油急落で石油開発もコス卜割れシェールガス開発、投資計画にも影響

原油価格は続落してる。WTIが14日に81.84$/バーレルで前日で3.90ドルに急落しており、80ドル割れとの見方も出てきた。6日が90.34ドルであったため、1週間で約9ドルの下落となった。ブレントが87ドルへと下落してきた。9月の平均が97ドル比べると約10ドルの下落、7月の平均が110ドルであったのに比べると25ドルの値下がりとなる。
 原油価格は、さらに下落するとの見通しの根拠は、OPECの減産見通しが難しい、世界の経済成長が鈍
化している、地政学リスクの緩和、アメリカの在庫増、などの下げ材料が重なったためであるが、ここにきて一気に流動的となってきた。
 東商取の先物は原油が60円/リットルから59円、ガソリンが73円/リットルから71円、原油が60円から59円と値下がり気味で推移、10月初めに比べると7~8円の大幅値下がりとなっている。
 国内のガソリン仕切価格は9日から1円~1円50銭の値下げ(前週は据え置き)となったが、原油価格の
急落で16日からは3円の大幅値下げとなった。今後も切価格の値下がりが見込まれている。そのため末端のガソリン市況対策が難しくなってきた。値下がり局面となっため、下げ過ぎを警戒するが、どの程度の水準で抑えるのか、その判断が難しくなっている。
 一方、原油の下落が長期化すれば産油国の財政が破綻するとの限界もあるため11月27日のOPCE総会で
の対応が注目される。急落したため減産対応するとの見方もあるが、その場合は事前に減産で足並みが揃う
動きが出るもとみられるが、今のところ減産が疑問視されている。産油国間で利害対立があり、リビア、イランは増産で対応しており、減産余力があるのはサウジのみであり調整が難しい。これから需要割に入るため、需要増で値上がりが見込まれるため、当初は生産枠(3000万バーレル/日)の据え置きが見込まれてただけに、予想外の展開となってきた。
 80ドルを割ることになれば産油国は収入減で財政難が深刻化するが、同様にメジャー、石油開発会社も減収、減益となり急速に業績が悪化する。開発会社の投資計画は原油価格を100ドルベースを目安に実施しており、80ドルを割ることになればコスト割れとなる。現在、ブームとなっているシェールガスーオイルの開発も80ドルが損益分岐点とみられており、撤退、生産の中止に追い込まれる。同じくコストが高い深海、厳欠地域などの開発は難しくなる。
 そのためは、下落に歯止めをかける動きが出るともと見られる。下落局面となると底値まで到達しないと反発しないが、その底値がどの水準となるかが分たないが相場である。
今後は、コスト(原油価格)の変動、思惑、経済指標などが絡んでの値動きとなるが、予測は一段と難しくなっている。
 今までも原油価格が100ドル/バーレル相場は高過ぎるとの見方もあり、市況実勢からみると80ドル程度が妥当な水準であり、地政学リスクが20ドル加算されているとの見方となっている。最近の原油価格下落の要因は①地政学リスクが緩和してきた。②欧州、中国など経済成長が鈍化してきた、③アメリカなどでシェールガスーオイルの増産で油価を押し下げる動きが出てきた、などの点があげられている。これらの問題点が解消されるのが、何時になるのかがポイン
トとなる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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