日刊ニュース

2014.10.28 のニュース

4月ショックから立ち直る道

ガソリン小売平均158.3円で始まった2014年も、残すところ約2ヵ月。過去形となった42週のうち20週が前週比値上がり、18週が値下がり、4週が横ばいで、現在は14週連続値下がりの過程にある。
 14年のSS経営を大きく揺さぶった元凶は、間違いなく円安による原油高が生じていたところに、石油石炭税と消費税のダブル増税が重なった4月ショックだろう。ここを境にSSの商環境は厳冬期に入り今日に至る。4月以降のガソリン小売価格は30週連続で160円を超え、先々週までは24週連続165円を超えていたが、先週にその記録が途切れて163.9円となった。これはダブル増税前の税制に換算すると159.1円となり、ほぼ年初レベルに等しい。過去の増税のたび、徴税当局から「極めて担税力が大きい」と評されてきたガソリンだが、今回はそれを覆す惨状に陥った。円安と増税高値による消費減退が長期化したうえ、個別のガソリンユーザーに、この消費スタイルが定着しそうな気配が濃厚に漂う。
 SSにも、お客様にも待望久しい原油安がここにきて顕在化した。今月中旬の円建てコストは12年12月下旬以来、約1年10ヵ月ぶりの安値を記録、連動してガソリン卸価格の各指標も7月中旬以降、15週連続で値下がりを記録している。特に直近3週の値下がり幅は累計6円を超え、08年末以来の最大規模となった。
 問題は、SS小売価格である。原油高、ダブル増税、低燃費化などに天候不順が重なった販売不振で、極めて厳しい経営環境がSSを取り巻いている。ガソリン内需は4~8月累計で前年比6.1%減という惨状だ。9月も4%前後の減少と推計されるから、年度の半分、暦年の4分の3を終えた時点で、ほぼ全SSがマイナスを実感できていることだろう。算数的には消費税別で約0.7円、消費税込みでは約1円という粗利のかさ上げがないと、前年並みのガソリン収益が確保できなくなる。
 これはあくまで全国平均の姿だ。天候不順の度合いが高かった西日本や、新設など商圏内の競争環境が激化したところでは、10%を超える数量不振が生じたSSも多いだろう。この2週間のガソリン卸大幅値下げアナウンスは、高値で厳しい節約を強いられてきたお客様には福音である。SSもこれを福音とする経営を年末まで保持したい。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE