日刊ニュース

2014.12.01 のニュース

「不適切」な実態の検証を

一般の系列特約店や販売店の多くが、現在のガソリン流通市場の混乱ぶりに戸惑い、そして絶望している。全石連は長年にわたりガソリン流通市場の適正化・透明化を訴え続けてきた。石油販売業者が仕切価格に適正なマージンを乗せて販売し、その収益で再投資ができるような市場環境の実現を求めてきた。
 ところが系列特約店に卸している一部の元売が、その身内である系列店が太刀打ちできないほど廉価の業転玉をPB業者などに放出した結果、全国各地で市場が崩壊する事態に陥っている。これに対し石油販売業界の健全経営を支援する自民党の石油流通問題議員連盟は「なぜ元売は、長年取引をしてきた系列特約店・販売店を大事にしないのか」と苦言を呈し、その無責任な業転の放出元を遡れるようにする石油流通証明書の添付や、業転玉を自由に買えるようにするための法律案など、様々な対応策を提案した。
 その結果、流通証明書の導入や新たな仕切決定方式への変更などの試みが行われ、一時的に系列玉と業転玉の格差が縮小するかに見えた。しかし、ここにきて再び格差が拡大し、系列特約店や販売店は競争に参入することすらできなくなっている。
 元売は原油価格の変化に連動して週単位で仕切改定を行い、特約店からの利益を確定している。系列特約店は仕切価格にマージンを乗せて小売価格に反映させようとしているが、一方で業転玉を購入して廉売しているPB事業者と同じレベルの小売価格で廉売競争に打って出ているのが一部元売の販売子会社である。
 公正取引委員会が昨年発表したガソリン取引の実態調査報告書では、系列特約店に相対的に高い仕切価格を設定している一方で業転購入や販売を制限していることなどは、「取引上優越した立場にある元売が、一般特約店に対し、一方的に、競争上不利な取引条件を課しているおそれがあり、公正な競争環境を整備する観点からみて不適切である」と警告した。
 まさに市場はいま、この公取委が指摘した「不適切」な状態にある。精製元売と我が販売業界はもう1度、昨年の公取委の指摘を読み直し、なにをどうしたら公正で透明な市場環境を実現できるか考えなければならない。また、公取委は、実態調査に基づいて指摘・指導したことについて、それが適正に実行されているかどうか検証すべきである。

提供元:全国石油商業組合連合会
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