2014.12.04 のニュース
原油下げ過ぎから反発 円安の先物も値上がりへ~末端は値下がり局面が続く~
OPEC総会の減産見送りを機に原油価格は急落したが、下げ過ぎから反発してきた。WTIは70ドル/バーレルを割って67ドルへと急落したが、1日には2ドル強値上がりして69ドルまで戻してきた。ドバイも70ドルへと反発している。原油の値上がりを受け東商取の先物は、ガソリンが65円/リットル、灯油は67~8円へと2円程度の値上がりをみせている。原油安も底打ちとなったかは、当分様子を見ることになる。国内の市況対策も仕切値下げを見込んでいるが、原油が反発したため取り組みが難しくなっている。原油急落と為替が119円/ドルと円安となっているため、コスト変動は相殺されるが、原油の値下げ幅が大きく仕切価格は値下げとなる。値下げ局面では下げ止めの防戦価格をどの水準に設定するが、値下げ幅を打ち出すことは難しく自然体で値下がりを見守るしか方策はないようである。
原油相場は下落局面となったため60ドル説も出ているが、ここにきて下げ過ぎから反発した。下落局面となっても、途中での反発は予想されるが、これを機に反転するか否かは様子を見る必要がある。
原油反発も石油需要とは関係なく、他の先物商品との思惑が絡んでいるため予断を許さない。
基調としては、OPECが減産を見送ったことから需給は緩和することになる。これから需要期に入るのと地政学リスクが台頭すれば反発することになるが、原油下落は消費国にとっては有利となる。
一方、産油国は収入が大幅に減少するため、財政難は必至であり。産油国がどこまで我慢できるのか我慢比べとなる。
国内の元売は、原油急落で巨額な在庫評価損を計上することになり、決算の数字は赤字が予想されている。
決算が赤字となれば、株価の下落も心配される。しかし、株式全体は値上がりするなど別の動きをみせている。円安による輸入価格の上昇で製品価格が上昇することになるが、円安分を相殺しても原油安の方が大幅となるため、石油製品は値下がりが続くことになる。
国内の市況対策は値下がりとなるが、どの程度の水準まで維持して防戦することになるが、その打ち出しは難しくなる。