日刊ニュース

2014.12.09 のニュース

価格激変、情報の重要性高まる

再び原油価格は激動期を迎えている。11月27日のOPEC総会で減産合意が不発に終わったことで、価格下落は底抜けになった感がある。今年の中東産原油の最高値は6月の1バレル111.24㌦、先週末の最近値が68.97㌦であることから約4割の値下がり、あと10㌦下がれば半値だ。
 どこまで落ちて底を打つかも様々な観測情報が流れているが、いまだわからない。2008年のリーマンショック時は同年12月末の36.60㌦で底打ちし、年明けから浮上している。そこまで下落はしないとされるが、今夏においても多くのアナリストが「欧州ブレント原油は100㌦が維持される」と述べていた。そのブレント原油も直近値は69.64㌦、いよいよ70㌦台を割った。
 円建て原油は円安が相殺し下落幅はやや緩い。今年の最高値は㍑72.27円、これに対して直近値が51.67円なので約3割安にとどまるが、決して小さな下落幅ではない。ちなみにOPEC総会後の平均値は51.69円となり、12年11月以来、約2年ぶりにガソリン税53.8円を下回る状況だ。価格構成の比率も変化している。
 この円建て原油の下落が国内の卸相場、小売市況へと直結していくことになる。直近の東京先物ガソリンはガソリン税込みで118.4円、陸上げしても120円割れになりそうである。これを日々追う格好で陸上現物も下落し、SS届けで121~122円が出始めている。小売市況でもPBSSや系列大手廉売系SSなどが137~138円台の小売価格をいつ出してもおかしくない状況下といえる。
 これに対して主要元売も先週3~4円の仕切り値下げを打ち出した。週決めの系列仕切りは、日々下落する先物価格や現物価格ほどの機動性がないため下落時は価格競争力で後追いのハンディキャップを抱える。特約店ベースではいわゆるブランド料込みのSS届けで120円台後半にはなってきていると推定されるが、タイムラグから業転格差が広がるおそれは濃厚だ。
 目を離すとすぐ市況環境が変わる激動期だからこそ、SS経営者は混乱することなく、いまこそ卸相場、他系列仕切り、小売市況などの価格情報をより正確に収集し十分な分析を行い、やれるべき交渉なども各方面と実施すべきだろう。その最大の目的は言うまでもなく「利益率の向上」を目指すことである。

提供元:全国石油商業組合連合会
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