日刊ニュース

2014.12.09 のニュース

ガソリン、相場づくりに苦慮 値下がりで増販を期待~マージン確保をも狙う~

原油価格は70ドル/バーレル割れとなっており、ガソリンの仕切価格も3~4円/リットルの値下げとなったことから、先物、業転も値下がりしている。先物はガソリンが62円/リットル、灯油が64円程度へと値下がりしている。12月に入っての値下がりとなっているため、販売業者は増販を期待しているが、新しい相場づくりに苦慮している。「灯油高のガソリン安」への体系に移行しているが、灯油販売も12月初めは出遅れ気味となっていたが、ようやく関東地区も冷え込みが厳しくなってきた。北海道、東北地区は雪が降り、寒波が到来しており、灯油はシーズン入りとなった。灯油が荷動きすればガソリンなどの需給も締まる。ガソリン在庫は、石連週報(29日)では167万キロリットルと低位で推移している。ガソリンは値下がりしているが、原油も値下がりしているため、元売の精製マージンは確保される状況にある。
 ガソリンの中間留分は、仕切価格が値下げとなり、12月商戦入りを前にして相場づくりに苦慮している。
末端市況も12月の第1週は様子を見ることになったが、今後は値下がりとなる。
 12月販売は、増販期待が大きいため値下げによって今までの減販を挽回したいところである。
 街道沿いのボトム価格は150円/リットルを維持していたが、140円台になり、安値は140円割れが散見しそうである。
 しかし、安値になれば需要が回復することになり、販売数量増による増益が見込まれる。今までは減販続きでSSも打つ手がなかったが、来店客が増加すれば、カーケア商品の増販、洗車、整備面でも収益増が見込まれてくる。
 しかし、省燃費車の増加などで基調はマイナスが続いたため、過度な増販を見込むと、安値競争が心配される。
 値下げ局面となると、どの水準を底値とするか設定が難しくなるが、適正マージン(10円以上)を確保することが前提となる。
 11月では、元売が仕切価格を遡及値下げしたが、12月では仕切価格を見直したことからも遡及値下げは無いとみられる。そのためには12月は増販を期待しながら適正マージンを確保した値取りができる市況形成が求められている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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