日刊ニュース

2014.12.18 のニュース

原油は再下落で見通し難に 業者、仕入段階での活用は無理

 原油価格は続落しているが、一段と下落、15日のWTIは55.91ドル/バーレルとなり前日で約2ドルの値下がりとなった。10日は60ドル台であったが、ここにきて値下がりが加速している。9月頃から毎月10ドルの値下がりとなったが、11月27日のOPEC総会で減産を見送り、生産枠を維持したのを機に急落しており、11月末の70ドル台から一気に55ドルへと急落した。
 このまま続落して40ドルまで値下がりするのか、ますます見通し難となっている。想定外の下落であり、OPECが原油の低価格にどこまで我慢ができるのか、北米のシェールガス・オイルの生産が維持できるのか、口シアなど産油国の財政難、メジャーなどの開発事業が継続できるのか、世界経済への影響が深刻化する。
 夏場には100ドルであったものが、50ドルと約半額となっており、国内のガソリンなど石油製品の価格が値下がりするのは、他の物価を押し下げるため経済活動は活性化するため歓迎されるが、この低価格が、今後も続くことはなく、必ず反発して急騰するための混乱が予想される。結果的には、値上がりとなり、ユーザーに対して値上げを求めることになるため、価格の安定を求めているが打つ手はないのが実態である。
 石油業界も、急落すれば暴騰するとみており、この低価格は長く続くことはなく、いつかは反転するが、その時期が分からないと難しいところである。
 前回の08年ではWTIで145ドルの急騰から30ドルの急落を経験している。国内のガソリン価格も185円から100円に急落した。その後は原油価格は、値上がりに転じ、80ドルに値上がり、最近では100ドル台が続いたが、今回の急落となったもので、過去の経過から50ドル台の安値が長く続くことはないとみている。だが、足元の50ドルから、さらに下落して40ドルまで下落するのか、予測は難しいところである。後になれば、その相場を解説することができるが、現在の商取引きは足元の原油価格で行なれわれている。原油取引きも大半が長期契約でありスポット取引きは少ない。
 国内取引きは、殆どが系列販売であり、業転で対応している業者は少ない。一部では、全量を業転で対応している業者もいるが、大半は業転と系列玉をミックスして扱い安定供給を確保する体制で臨んでいる。
 今回の急落に際しては、値下がりを見込んで、大手業者は、買い控えで対応しているが、その場合はローリーを持ち込んだ蔵取りができる業者であり、大半は元売の計画配送のシステムに組み込まれているため、値下がりが見込まれても買い控えはできない状況にある。
 そのため、急落を活用して商機を掴むことも難しい。一般の販売業者は、週決めのルールに沿って、値決めされており、利は元売に有り、という仕入段階でメリットを活用することは難しくなっている。ただ、大手は数量割引きがあるが、これも取引きの公平性からその価格差は縮小されている。
 また、業転と実勢市況との間で価格差が生じた場合は調整している。1ヵ月という短期間を対象にして調整は実施されていないるようである。元売も、取引きの公平性を遵守していることになる。だが、末端市況が急落しているため仕切価格の調整を求める声は強くなっている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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