2014.12.22 のニュース
『税』という重い課題
1年の世相を表す「今年の漢字」が『税』に決まった。17年ぶりの消費税率引き上げ、そしてさらなる増税が議論されたことがその理由だ。
SS業界にとっては積年の課題である『税』だが、今年は特に、4月の消費税率引き上げと温対税増税というダブル増税により、例年になく激しい衝撃をSS経営にもたらした。しかも、増税に際しては直前の駆け込み需要と直後の反動減がつきもので、ある程度は織り込み済みのはずだったが、今年に限っては反動減から回復する間もなく、天候不順と原油の高止まりに足を引っ張られ、ガソリンは通年レベルの需要減にまで回復することさえ覚束ない。
一方で秋口以降は、一転、暴落ともいえる原油価格の値下がりにより、ガソリン価格が大きく変動した。急速な円安が原油暴落分をかなり打ち消してしまったとはいえ、石油情報センターの調査によれば今年のピークである7月14日時点の169.9円に対して、直近の12月15日時点の小売価格は152.4円と、半年で17.5円も値下がりした。
こうして小売価格が大幅に下落することでより鮮明に見えてくるのが、ガソリン価格に占める石油諸税の割合がとてつもなく大きいという事実だ。7月14日時点でのガソリン価格に占める税金の割合は40.6%だったが、12月15日時点では44.4%にまで拡大している。このまま値下がりが進んだ場合、ガソリン価格が132円に達した時点で、税金の占める割合は50%を超える。
16年4月には温対税増税の第3弾として0.26円が上乗せされる。来年10月に予定されていた消費税率10%への引き上げは延期されたが、17年4月には確実に実施されそうだ。税金が占める割合は、今後ますます拡大の一途をたどることになる。
なによりガソリン価格の40~50%を占めるほど高額であること、そしてその一部はすでに本来の課税の主旨を消失していること、さらに税金部分にまで消費税が課せられていること。ガソリンに課せられた『税』をめぐる課題は、SS経営の根幹を揺るがすほど重い。
全石連・油政連は今年、石油製品に課せられた税負担の軽減、新たな課税の阻止などを掲げて様々な運動を展開してきた。この方針は来年も変わらないだろう。業界が一丸となって取り組むことでぜひとも成果をあげたい、重い課題だ。