日刊ニュース

2014.12.22 のニュース

連続仕切値下げで下げ過ぎを警戒 価格競争の再燃が心配される

 原油価格の急落からガソリンの仕切価格は18日から4円/リットル(JX、出光)の値下がりとなった。12月に入って3週連続の値下がりとなっている。仕切価格は毎週3~4円の値下がりとなっており、12月では10~11円の大幅値下げとなるため販売業者も販売価格を値下げで対応しているが、その対応に苦慮している。
 連続して値下がりとなっているため、価格競争が再燃して下げ過ぎとなり赤字経営に転落するとの心配がされている。今のところマージンは確保されているが、値下がりが加速すると下げ過ぎを警戒する見方も出てくる。
 末端市況は、石油情報センター調査(15日)のガソリン価格は152円/リットルとなり、22週連続の値下がりで7月の170円相場に比べると18円の値下がりとなっているが、11月末が158円であったため、この価格に比べると6円の値下がりとなっており、12月に仕切価格の値下がりが幅が10円とすると、マージンを確保していることになる。
 今後も足元の原油相場をみながら市況対策に取組むが、値下がり局面であるため、販売業者は、下げ過ぎなければマージンが確保できる有利な立場にある。だが、値下がりが長期化すると、値下げが加速することになり、利益を吐き出し赤字となるケースも多くなる。
 仕切価格の値上がり局面では、コスト増をユーザーに転嫁しないと、かぶりとなるため真剣に取組むのと、元売も需給をタイトにして臨むため値取りが達成される。
 しかし、値下がり局面では、仕切価格の値下がり以上に末端市況を値下がりするともあり、マージン減となる。そのため先取りして値下げを警戒しているが、仕切価格は予想外の大幅で長期にわたる連続値下がりであるため下げ過ぎとなりそうである。さらに今後の原油価格が値下がりするのか否か見通しが難しい状況にあるため、混迷が心配である。
 販売業者の中には、この下落時でシェアの拡大を狙って安値攻勢をかけるケースが出てくる。安値は130円台となっており、増販を見込んで薄利多売が展開されそうである。さらに値下がりとなると120円台も予想されそうである。
 値下げ時は、本来、マージン確保のチャンスとなるが、下げすぎは利益を吐きだすことになる。今回も結果的には、増販を追求すると薄利多売となりそうである。ここは値下げを急ぐのではなく、適正マージンの確保を優先すべきであるが、今までは減販が続いただけに、値下げしてでも増販を見込みたいという業者もいるため、価格競争が再燃することも心配となっている。値下げしても大幅な増販は望めないため、適正マージンの確保が望まれている。
 原油価格は11月平均で75ドルであったものが、足元は55ドルへ20ドルの急落となっている。底値は60ドル程度との見方もあったが、60ドルを割って50ドル台に入ったため、さらに50ドル割れへ値下がりするとの見方も出てきた。
  原油急落は、08年の7月に145ドルまで急騰したが、9月にリーマンショックが発生、その年末には30ドル急落したガソリンも185円の高値となり、100円にまで、下落したことを経験している。今回は08年の乱高下の再来との見方もあるが、当時に比べると先物市場も成熟しているため歯止めがかかるとの見方もある。
 いずれは反騰するが、その時期が何時なのか、緩やかなのか、急騰なのかは分らない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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